【第2章】計画だけは完璧

――予定表の中では、誰もが成功者。

【登場人物】
・男
・妻

男、昔のノートを見つける。

男:「懐かしい!」

妻:「何それ?」

男:「30歳の頃に作った人生設計図」

妻:「へぇ〜」

男、読み上げる。

「35歳、マイホーム」

「40歳、管理職」

「50歳、貯金○千万円」

「60歳、悠々自適」

妻:「で、今は?」

男:「…………」

設計図を見る。

もう一度、自分を見る。

男:

「現在地が載ってない」

妻:「道を間違えた?」

男:「いや……」

これまでの人生を思い返す。

転職。

思わぬ出会い。

失敗。

遠回り。

そして、今。

男:「ずいぶん予定と違う場所に来たなぁ」

妻:「戻りたい?」

男、少し考える。

「いや」

妻:「じゃあ、いいんじゃない?」

男:「そうだな」

男、人生設計図に現在地を書き込む。

『現在地――予定外』

妻:「目的地は?」

男、笑って書く。

『未定』

妻:「ずいぶん雑な設計図ね」

男:

「この方が、面白そうだろ?」




いかがでしたか?笑っていただけましたか?

若い頃に描いた人生設計図。

気がつけば、現在地が載っていない。

でも――

道を間違えたから見えた景色もある。

人生、だいたい予定外。

案外それくらいが、

人生にはちょうどいいのかもしれません。