【第2章】計画だけは完璧
――予定表の中では、誰もが成功者。
【登場人物】
・夫
・妻
旅行前夜。
夫:「旅程表、完成!」
妻:「何時に出るの?」
夫:「7時12分!」
妻:「細かいわね」
夫:「9時05分、観光地。10時30分、カフェ。12時、昼食!」
妻:「旅行よね?」
夫:
「予定通り楽しむんだ!」
妻:「楽しむ時間まで決めないでよ」
翌日。
順調に観光。
夫:「予定通り!」
妻:「はいはい」
ところが午後――
夫:「あれ?」
妻:「どうしたの?」
夫:「道が分からない」
妻:「迷った?」
夫:
「予定にない!」
妻:「道に迷う予定なんて普通入れないわよ」
二人で知らない路地を歩く。
小さな神社。
古い商店。
地元のおばあちゃん。
「この先、景色がきれいだよ」
行ってみる。
夕焼けの絶景。
夫:「……すごいな」
妻:「予定表にあった?」
夫:「ない」
妻:「今日、一番よかったね」
夫:「……うん」
帰宅後。
妻:「旅行で何が一番楽しかった?」
夫:
「道に迷ったこと」
妻:「じゃあ次の旅行は?」
夫、旅程表を書く。
14時00分
『道に迷う』
妻:
「それはもう迷ってない!!」
いかがでしたか?笑っていただけましたか?
旅行は、計画通りにいかないから面白い。
道を間違えた。
知らない店に入った。
偶然、きれいな景色を見つけた。
そんな予定外ほど、あとで思い出になります。
人生も案外、同じかもしれません。
ただし――
「道に迷う」まで予定に入れたら、もう重症です(笑)。
