人生の真理あるある地獄その4
【登場人物】
・丸山(64歳・変わりたいと思っている)
・若者(やや斜に構えている)
(ベンチ)
若者「人ってそんな簡単に変われないですよね」
丸山「そう思う?」
若者「だって性格とか、もう決まってるじゃないですか」
丸山「じゃあ聞くけど」
若者「はい」
丸山「昨日と今日、まったく同じだった?」
若者「いや…微妙に違いますけど」
丸山「それもう変わってるよ」
若者「いや、それ“誤差”です」
丸山「誤差でも、積み重なれば変化だよ」
若者「うーん」
丸山「64歳でも変われる理由はね」
若者「はい」
丸山「毎日ちょっとずつ変わってるから」
若者「でも大きくは変わらないですよね」
丸山「じゃあ質問」
若者「なんですか」
丸山「10年前の自分と今、同じ?」
若者「……全然違うかも」
丸山「でしょ?」
(少し間)
若者「でも、自分はまだ変われてない気がするんですよ」
丸山「それも普通」
若者「じゃあ、どうすればいいんですか」
丸山「“変わる前提で生きる”」
若者「前提?」
丸山「どうせ変わるなら、いい方に変えようって思うだけ」
若者「……それだけ?」
丸山「それだけ」
(歩きながら)
若者「……自分も変われるのかな」
(丸山、振り返る)
丸山「大丈夫」
若者「本当ですか?」
丸山「俺もまだ変わってる途中だから」
若者「……なんか希望ありますね」
(数秒後)
若者「ちなみに、何を変えたんですか?」
丸山「最近ね、健康のために、毎朝走るって決めた」
若者「いいですね」
丸山「……で、3日でやめた」
若者「変わってないじゃないですか」
丸山「いや違う」
若者「え?」
丸山「“3日やった自分”にはなった」
(少し間)
若者「……なんか納得しそうで悔しいです」
(暗転)
