出版・編集その2

【登場人物】

・編集者:タイトルに人生を賭けがち

・著者:内容には自信満々、タイトルで迷子

・AIくん:タイトル生成が得意(ただし量が暴力)


場面1

(編集部。ホワイトボードに「タイトル会議」と書かれている)

編集者「今日はタイトル決めます。タイトルが決まれば本が決まります」

著者「内容はもう決まってますけど…」

編集者「いいえ。タイトルが決まらないと、内容も“居場所”がないんです」

AIくん「居場所:タイトル」


場面2

編集者「では著者さん、案をお願いします」

著者「はい。…『人生を変える○○』」

編集者「その瞬間、書店の棚から悲鳴が聞こえます」

著者「じゃあ『○○で幸せになる方法』」

編集者「棚が崩れます」

AIくん「棚を補強します」

編集者「補強じゃない!」


場面3

編集者「こうしましょう。AIくん、100案出して」

AIくん「了解。0.8秒で出します」

(プリンターが唸り、紙が雪崩れる)


場面4

(机がタイトル紙で埋まる)

AIくん「案1:『たった3分で人生が軽くなる○○』

案2:『○○の教科書(完全版)』

案3:『○○で勝つ!』…案100:『○○で勝つ!改』」

編集者「“改”で水増しするな!」

著者「すごい…タイトルって増えるんだ…」


場面5

(編集者、真剣に選別開始)

編集者「これは刺さる…これは強い…これは売れそう…」

著者「お、いけそうですか?」

編集者「いけそう“なんですが”…」

(編集者の顔が曇る)


場面6

編集者「全部、どこかで見たことあります」

著者「全部…?」

AIくん「既視感率:98%」

著者「そんな高いの!?」

編集者「タイトル界は、同じ海で泳いでるんです…」


場面7

(著者、苦し紛れに言う)

著者「じゃあ…逆に、めっちゃ変なのにします?

『○○は冷蔵庫に入れてはいけない』」

編集者「急にホラー!」

AIくん「冷蔵庫の温度を最適化します」

編集者「そこ最適化しなくていい!」


場面8

(編集者、核心に踏み込む)

編集者「著者さん。この本、読者に一番伝えたいのは何です?」

著者「…“大丈夫”ってことです」

編集者「それです。じゃあタイトルは…」

(全員、息をのむ)


場面9(オチ)

編集者「『大丈夫。』」

著者「短っ!」

AIくん「案101:『大丈夫。—AIが言うと余計不安—』」

編集者「余計な副題つけるな!」

著者「でも…それ、ちょっと好きです」

編集者「はい、決まり。…じゃあ今までの100案、全部ボツで」

AIくん「ボツ処理を開始します。タイトル雪崩、再発します」

編集者「やめて!紙ゴミだけ“ベストセラー”になる!」


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

タイトル会議って、100案出した瞬間に“安心して全部ボツにできる権利”が発生しますよね。

AIくんは0.8秒で量産するのに、人間は1秒で「うーん、既視感!」って消していく…スピード感だけ未来。

そして最後に残るのが「短っ!」って言われる一言タイトル。短いのに重い。むしろ重いから短い。

今日も編集部は、紙だけがベストセラーです。