【登場人物】

・デザイナー:決定稿という言葉を信じたい人

・クライアント:決めたあとに安心して悩む人

・AIくん:進行管理が得意。人間の心は未対応


場面1

(納品前夜。デザイナー、震える手でフォルダ名を付ける)

デザイナー「よし…『最終』…いや『最終_決定』…いや…」

AIくん「推奨:最終_決定_これで本当に最後」

デザイナー「それ、呪文じゃん」


場面2

(オンライン打ち合わせ)

クライアント「A案でいきましょう!これが決定稿で!」

デザイナー「ありがとうございます!決定稿ですね!」

AIくん「決定を記録しました。祝杯モードに移行します」

(AIくん、電子の紙吹雪を出そうとしている)


場面3

(5分後、メール通知)

クライアント「すみません、やっぱりB案も捨てがたくて…」

デザイナー「決定稿、5分で揮発した…」

AIくん「決定を取消しました。祝杯モードを停止します」

(紙吹雪が途中で落ちる)


場面4

デザイナー「大丈夫です。比較表を作りましょう。どこで迷ってます?」

クライアント「…“なんとなく”です」

AIくん「最難関ワード検出:なんとなく」

デザイナー「出た、ラスボス」


場面5

(再び決まる)

クライアント「やっぱりAで!Aが正しい!」

デザイナー「決定稿、復活!」

AIくん「決定を記録しました(2回目)」

デザイナー「フォルダ名が足りない」


場面6

(翌朝。印刷所入稿10分前)

クライアント「ごめんなさい!社内で“やっぱりB”になりました!」

デザイナー「印刷所が…息してない…」

AIくん「現在時刻:締切の喉元です」

デザイナー「喉元で踊るな!」


場面7

(デザイナー、悟る)

デザイナー「わかりました。では“決定稿”という言葉をやめましょう」

クライアント「え?」

デザイナー「今日から“仮”です。すべて“仮”。人生も“仮”」

AIくん「フォルダ名:仮_仮_仮_仮」


場面8(オチ)

(入稿後。数時間後にクライアントから連絡)

クライアント「すみません!やっぱり最初のAが良かったです!」

デザイナー「戻った!?決定稿が“仮”に戻るどころか、時空も戻った!!」

AIくん「時間を巻き戻しますか?」

デザイナー「できるなら昨夜に戻って寝かせて!!」


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

「決定稿」って言葉、制作現場ではだいたい“儚い季節の名前”です。

決まった瞬間に安心して悩み始める――人間ってすごい機能を搭載してますよね。

AIくんが進行管理を頑張るほど、矢印だけが増えていく地獄ループ。

そして最後に戻ってくるのが“最初のA案”。……それ言うなら、最初に言って!!