【登場人物】
・ケン(観光客。海=リゾート思考)
・ナオ(観光客。SNS映え担当)
・マツダさん(地元民。冬の日本海と和解済み)

---

 ① 日本海・海岸入口(冬・昼)

(テンション高めで登場)

ケン:うおー!日本海ーー!!
ナオ:きれい!広い!写真撮ろ!
ケン:やっぱ海はテンション上がるよな!
ナオ:南国っぽいの想像してた!

(次の瞬間、ゴォォォォという風)

ナオ:……今、顔叩かれた。
ケン:風が…殴ってきた!?
ナオ:しかも平手打ちじゃなくて、**往復ビンタ**。

---

 ② 海岸・数歩前進

(波がドーン!ザッパーン!)

ケン:おお!迫力ある波!
ナオ:ちょっと近づこ…
(ザッパーン!波しぶきがかかる)

ナオ:冷たっ!!
ケン:波が…怒ってる!?
ナオ:怒ってるっていうか、**説教してる**。
ケン:「何しに来た」って言われてる気がする。

(風、さらに強く)

ケン:ねえ、海ってこんな攻撃的だったっけ?
ナオ:私の知ってる海、もっと優しかった…。

---

# ③ 少し離れた場所

(マツダさん、無言で海を背に立っている)

ケン:あの人、すごい落ち着いてる。
ナオ:地元の人っぽい。聞いてみよう。

ナオ:すみませーん!冬の日本海って、すごいですね!
マツダさん:(振り向かず)……ですね。
ケン:え、以上?
マツダさん:(ゆっくり振り返る)「今日は、まだ優しいほうです。」

ケン&ナオ:え!?

---

④ さらに強風

(ナオの帽子が飛ぶ)

ナオ:帽子ーー!!
ケン:追うな!それ以上行くな!
ナオ:え!?
ケン:今、海が「来い」って言った!
ナオ:ホラーやめて!

(マツダさん、静かに背中を向ける)

ケン:……あの人、帰っちゃった?
ナオ:背中で語ってる。
ケン:何て?
ナオ:「見るだけにしとけ」って。

---

⑤ 海岸入口へ撤退(ラスト)

(2人、風に押されながら戻る)

ケン:完全に勘違いしてた。
ナオ:海=南国、封印する。
ケン:日本海は…
ナオ:見る海。
ケン:近づくと叱られる海。

(遠くで波の音)

ナオ:ねえ、さっきの波、まだ見てるよね?
ケン:見てる。絶対見てる。
ナオ:じゃあ…
ケン:うん。
2人:今日はここまでで失礼します!

(深く一礼して去る)

(暗転)

---

 

いかがでしたか?笑っていただけましたか?
冬の日本海は、観光客に優しく迎えてくれるタイプの海ではありません。むしろ第一声が「何しに来た?」で、次に風がビンタ、最後に波が説教。地元の人が背中を向けるのは冷たいからではなく、「今日はまだマシだよ」という最大級の親切です。
海=南国のイメージを持ったまま来ると、心も前髪も一瞬で持っていかれます。どうぞ日本海は“眺めるもの”として、敬意と距離感を持ってお楽しみください。風は…絶対に手加減しません。