【登場人物】
・直人…新潟在住。冬の体感がバグっている。
・亮…東京から来た友人。まだ正常。
【場面】
真冬の新潟。駅前。雪はやんだが空気はキンキン。
電光掲示板には「最高気温 3℃」の表示。
直人「おー、今日はあったかいね〜」
亮「……え?」
直人「昨日マイナス2℃だったじゃん。
今日はプラス3℃。ほぼ春」
亮「春のハードル、低すぎるだろ」
直人、手袋を外してスマホを操作し始める。
亮「手袋外すの!? 指、取れるよ!」
直人「いや、いけるいける。
ほら、手が“痛くない”」
亮「“痛くない”が基準なの怖い」
道端でおじさんが言う。
おじさん「今日はあったけぇから、雪も重てぇわ」
亮「あったかいのに重いって何!?」
直人「温度が上がると雪が“水分増えて攻撃力上がる”んだよ」
亮「ゲームのボスみたいに言うな」
コンビニへ。
直人が迷いなくアイスの棚へ向かう。
亮「この気温でアイス!?」
直人「今日はあったかいから、溶けない」
亮「冷凍庫の仕事、信じすぎ」
【ラスト】
夕方、再び駅前。
亮は完全に顔色が悪い。
亮「新潟の“あったかい”って、何℃から…?」
直人「体感で言うと、
“雪が横に降らない日”は全部あったかい」
亮「温度じゃなくて“雪の向き”なの!?」
(その日、亮は東京に帰ってからも、
3℃を見るたびに「ほぼ春」を思い出してしまうのであった。)
