【登場人物】

・悠人(小3)…元気いっぱい。「入れる!」が口ぐせ。

・父…現実派。すでに足の感覚がない。

・母…安全第一。タオルとホッカイロ担当。




【場面】

夏休み。といっても、風が冷たい日本海の浜辺。




悠人「パパ! 早く水着になって! 海入ろう!」


父「さっき足首まで入っただけで、人生を振り返りそうになったんだけど」


母「今日は“見る海水浴”にしようって、さっき話したでしょ」


悠人「大丈夫! オレ、若いから!」




(悠人、勢いよく海へ走る)


悠人「うおおおおお!!」


\ジャバーン!/


悠人「……つめたっっっっ!!」


(波が引くと、悠人だけ置いていかれて震えている)


父「ほら見ろ、“若さ”じゃ水温は上書きできないんだ」


母「戻っておいでー! 今なら“見なかったこと”にしてあげるから!」




タオルに包まれながら、悠人が悔しそうに空を見る。


悠人「くそー……テレビの海水浴、ぜんぶ嘘だ……」


父「あれは太平洋側っていう、別のステージなんだよ」


母「日本海は、“見る”“叫ぶ”“写真を撮る”までが基本セットね」


悠人「じゃあ来年は、“入れる日”だけ教えて」


父「それ、年に二日くらいしかないんだよなぁ……」


(今日もまた、日本海の波は元気いっぱい



いかがでしたか?笑っていただけましたか?


「入れる!」「やめて!」

日本海の前で、毎年どこかの浜辺でくり広げられているであろう攻防戦でした。


子どもから見れば、夏=海=即ダイブ。

親から見れば、日本海=風強い=今日は“見る日”。

同じ青い海を見ているのに、まったく違うゲーム画面が見えているのがおかしいところです。


そして一度入ってしまった子どもが言う

「つめたいぃぃ!!」という叫びは、

親にとって最高の“説得材料”であり、来年への教材でもあります。


どうか皆さんも、日本海に行くときは——

まず水温、そして子どものテンション、

最後にタオルの枚数をしっかりご確認ください。