【登場人物】

  • マナミ:察してほしい派。言葉より“空気”で伝えがち
  • ユウタ:鈍感派。空気は吸うだけで読めない
  • カフェ店員:巻き込まれ系モブ

【場面:カフェ。マナミとユウタが座っている。】

マナミ(ため息まじり)

「……はぁ。」

ユウタ(のんき)

「どうしたの?コーヒー薄かった?」

マナミ(目だけで訴える)

「え?いや……別に……」

ユウタ

「じゃあ眠い?」

マナミ

「そういうことじゃなくて……」

ユウタ

「え?じゃあ何?」

マナミ(じっと見つめる)

「……(察して)」

ユウタ

「無理!!!!」

【マナミ、もう少しだけヒントを出す】

マナミ(遠回し)

「なんか最近……距離感じるよね……」

ユウタ(素直)

「え?椅子1個分の距離のこと?

 近づこうか?」

マナミ(ズレすぎて頭抱える)

「そういう物理の話じゃない!!」

【ユウタ、さらにズレる】

ユウタ

「じゃあ……気温?

 クーラー寒い?」

マナミ(心の声)

(お願い…!たった一言でいいから…!

 “どうしたの?”じゃなくて

 “気づいてるよ”って言ってほしいの…!)

ユウタ(白目)

「ごめん無理だわ……中間テストも赤点だったし。」

マナミ

「急に学生時代の弱点出さなくていい!!」

【ついにマナミ、最大級のヒント】

マナミ(しみじみ)

「なんか……前みたいに大事にされてない気がするんだよね……」

ユウタ(真剣に考える)

「大事にしてるよ?」

マナミ(もう一押し欲しい)

「……ほんとに?」

ユウタ

「うん。今日もさ…… ほら……

 マナミの好きな“砂糖2本”入れたし。」

マナミ(叫ぶ)

「そういう次元じゃないのーーー!!!!」

【店員が通りかかる】

店員(にこやか)

「お砂糖、お持ちしましょうか?」

マナミ

「気持ちを持ってきてほしい!!!」

ユウタ(店員に小声)

「気持ちって、何本で足ります?」

店員

「本数じゃないと思います。」

【マナミ、ついに本音を言う】

マナミ(うるっとしながら)

「……もっとね、“言わなくても気づいてくれる”って思ってたの。」

ユウタ(申し訳なさそう)

「ごめん。でもマナミ…… 俺ほんとに鈍いから…… “言ってくれたほうが助かる”。」

マナミ(ハッ)

「え……」

【結末】

ユウタ(手を取って)

「察する力は低いけど…… 聞く気はめっちゃあるから。」

マナミ(照れ笑い)

「……言うねぇ。」

ユウタ

「言葉で伝えてもらえたら、ちゃんと受け止めるよ。」

マナミ(ニッコリ)

「じゃあ今から全部言うからね?」

ユウタ(ビクッ)

「や、やさしいやつからお願い……!」



いかがでしたか?笑っていただけましたか?

“察してほしい派”と“言わなきゃ分からない派”って、

永遠にわかり合えないようで、

実はちょっとした“ひとこと”で距離が近くなる。

こういうすれ違いのドタバタ、

誰も悪くないからこそ愛おしいんですよね。