【登場人物】

  • ユウタ:帰省中の社会人。高速Wi-Fiがないと生きられないタイプ
  • 母:Wi-Fiの概念がまだ“謎の電波”くらいの認識
  • 父:なぜかルーターに強気

【場面:実家の居間。ユウタがスマホをいじるが、クルクルが止まらない。】

ユウタ(イライラ)

「読み込まない……!またクルクルしてる……!」

スマホ画面:ずっと“読み込み中”の丸が回っている。

母(台所から)

「え〜?うちのWi-Fi強いよ?

 朝なんてテレビが一瞬止まったもん。」

ユウタ

「それ弱いんだよ母さん!!!!!」

【父、登場】

父(新聞片手に)

「Wi-Fiならリビングにルーター置いてあるだろ?

 “中心に置けば家全体に届く”って書いてあったぞ。」

ユウタ(絶望)

「その理屈でいったら太陽は家の真ん中に置けって話だよ……」

【試しにルーターを見る】

ルーターのランプが、

1個しか光っていない。

ユウタ(悲鳴)

「うわあああ!! なんでこんな昔の型使ってんの!?

 恐竜時代のルーター!?」

母(胸を張る)

「これ買ったの、6年前!」

ユウタ

「化石級ーーー!!!」

【さらに追い打ち】

ユウタ、動画再生を試す。

画面:

“低画質(144p)で再生しますか?”

ユウタ(震える)

「144pって……影絵より情報少ないじゃん……」

父(誇らしげに)

「でも動くだろ?」

ユウタ

「動けばいいって問題じゃないの!!」

【家族のWi-Fi争奪戦】

母(スマホを見ながら)

「ねぇ、これ料理動画が途中で止まるんだけど。」

父(タブレットを叩きながら)

「俺の将棋アプリも止まるぞ!」

ユウタ

「だから弱いんだってば!!!!」

【ユウタ、ついに決断】

ユウタ(立ち上がって)

「もういい!今日、最新のルーター買ってくる!!

 “Wi-Fi6”ってやつにする!!」

母(驚いて)

「そんなに!?

 “Wi-Fi3”くらいでいいのに。」

ユウタ

「数字勝手に減らすなーーー!!!!」

【後日】

新ルーターに変えた実家。

動画がサクサク、ページも秒速で開く。

母(感動)

「うちの家……都会になったみたい……!」

父(満足げ)

「将棋アプリが止まらん。」

ユウタ(ニッコリ)

「やっと文明レベルが上がったね……」

その時、母が言う。

「でも電波よくなったら、

 あなた帰ってこなくなるんじゃない?」

ユウタ(即答)

「それはない!!」

母(にっこり)

「うん、知ってる♡」


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

実家のWi-Fiってなぜか時空歪んでるんですよね。

現代の若者の忍耐力を鍛える修行場みたいなあの遅さ……(笑)