【登場人物】

  • サトミ:几帳面で真面目。メールの言葉づかいに敏感
  • タケシ:悪気ゼロ、ゆるゆるマイペース社員
  • 部長:空気は読めないが優しい

【場面:オフィス。サトミがPCを覗き込みながらため息をつく。】

サトミ(眉間にしわ)

「……タケシさん、また“取り急ぎ”って書いてる……」

隣の席のタケシ、スナック食べながらのんきに振り返る。

タケシ

「え、なに?取り急いで返信したよ?」

サトミ(メール画面を指差して)

「この文章、どこが!?

 『取り急ぎご連絡まで。

  本日中に詳細まとめます。

  その前に資料確認お願いします。

  ちなみに週末はBBQどうですか?

  写真添付します!』」

タケシ

「え、ちゃんと“取り急ぎ”って書いたけど?」

サトミ

「余計な情報、盛りだくさんなのよ!!!」


【さらに追い討ちの“取り急ぎ”メール】

サトミ(次のメールを開く)

「え、こっちは……

 『取り急ぎ、動画をお送りします』

 って書いてある……」

タケシ(ニコニコ)

「あーそれ、昨日の猫の動画。」

サトミ

「取り急ぐな猫!!!!!」

【部長登場】

部長(優しげ)

「タケシく〜ん、例の書類できた?」

タケシ

「取り急ぎ、明日やります。」

サトミ(すかさず)

「取り急いでない!!!

 むしろ“余裕を持って遅らせてる”って意味ですよねそれ!!」

部長(苦笑い)

「取り急ぎ=“急がない”の新しい使い方かな……?」

タケシ(堂々)

「ですよね?柔らかい言い方ですよね?」


サトミ(深いため息)

「柔らかいどころか中身スカスカよ……!」

【タケシ、なぜか怒られたと思っていない】

タケシ(パソコンを開きながら)

「まぁいいや。“取り急ぎ”で全部乗り切れるし。」

サトミ(頭を抱える)

「その万能感どっから来るの!?」

【その時、新着メールが届く】

PCの通知音:ピロン♪

タケシ(覗き込みながら)

「あ、部長から返信きてる。

 えーっと……

 『取り急ぎ、よろしくお願いします』

 ……あれ?」

サトミ(絶望)

「感染した!!!!」

タケシ(嬉しそう)

「部長も取り急ぎ仲間じゃん♪」

サトミ(天を仰ぐ)

「日本のビジネスメール文化、終わった……!」



いかがでしたか?笑っていただけましたか?

“取り急ぎ”って、本当は「簡潔に書きますね」の意味なのに、

なぜか一番長いメールに使われがちですよね…笑

気づいたら社内全員が使い始めて、

“取り急ぎウイルス”が広がるのもあるある。

取り急ぎ、職場の“そりゃそうなるよね”を楽しく描いていきます!(笑)