【登場人物】
- カトウさん(40代・営業マン、ちょっと疲れてる)
- 壊れた自販機(しゃべらないけど“聴いてくれる”存在)
- 後輩サトウ(偶然通りがかる)
【場面】
深夜のビル裏、誰もいない路地。
街灯の下に、うらぶれた自販機が1台。
電源は切れていて、ライトもボタンも反応なし。
【本編】
カトウ(スーツしわくちゃ、缶コーヒー片手に)
「やれやれ…今日も契約とれなかったよ…」
(ふらっと自販機の前に立ち止まる)
カトウ(ため息混じりに)
「おい、聞いてくれよ…君だけがオレの味方だよ…」
(自販機に語りかけるように座り込む)
カトウ
「課長は“君は空気が読めない”って言うけどさ…
俺なりに頑張ってるんだよ。空気より湿度読んでるわ!」
(自販機:反応なし。でも沈黙が優しい)
カトウ
「家に帰っても、猫にしか話しかけてないし…
嫁とはLINEの“既読スルー合戦”だし…」
(自販機に軽く頭をもたれかける)
カトウ
「なぁ…俺、もう…メロンソーダみたいに“炭酸抜けた存在”なんだろ?」
(そのとき――背後から足音)
後輩サトウ(ビビりながら)
「あ、あの…カトウさん? ここで何して…?」
カトウ(自販機に囁くように)
「シーッ!彼はしゃべらないけど…聞いてくれるんだ…」
【クライマックス】
翌朝、会社のLINEグループに貼られた1枚の写真:
「壊れた自販機に人生相談してるカトウさん(深夜)」
キャプション:
#壊れた心は壊れた機械に打ち明けろ
カトウ(LINEを見ながら)
「……もう炭酸どころか、缶ごと潰された気分だ」
いかがでしたか?笑っていただけましたか?
深夜、自販機の明かりに吸い寄せられるように話しかけてしまったこと…
きっと誰にでも一度はありますよね?(ね?)
でも大丈夫。壊れた機械は壊れた心に優しい。
何も返ってこないって、ある意味“最強の傾聴”。
