【登場人物】

・ケンジ(小学3年生)

・母ちゃん

・駄菓子屋のおばちゃん


【場面:昭和の団地の一室】


(ケンジが部屋の中をゴロゴロしながら)


ケンジ:「あ〜、腹減った〜。うまい棒食べたいけど…財布スッカラカンじゃ〜!」


(ふと目線がゴミ箱の下に)


ケンジ:「…ん?…あれ、光ってないか?」


(ゴミ箱を持ち上げるケンジ)


ケンジ:「き、きたぁーーー!!伝説の10円玉!!」


(ケンジ、テンションMAXでジャンプ)


ケンジ:「これは…駄菓子神(だがしがみ)の導きだ!この10円で“きなこ棒”をゲットする!!」


(ものすごい勢いで団地の廊下を駆け抜けるケンジ)


【場面:駄菓子屋】


駄菓子屋のおばちゃん:「おぉ、ケンジちゃん。今日は何買うの?」


ケンジ(誇らしげに10円を掲げて):「おばちゃん!今日はこの運命の10円で、最高の一本を頼む!」


おばちゃん:「…それな、昭和49年の10円玉やん。自販機じゃ使えないけど、うちならいけるわ!」


ケンジ:「駄菓子屋は、昭和のタイムマシンやでぇ〜!」


(買ったきなこ棒を一口かじった瞬間…)


ケンジ:「……え、歯の詰め物取れた!!」


おばちゃん:「あら、また来週も10円探さなあかんな〜(笑)」


【幕】





いかがでしたか?笑っていただけましたか?

昭和の10円玉って、なぜか特別なパワーを感じたものです。

現代っ子がキャッシュレスでも、昭和っ子は”床に落ちてる10円”で夢が買えました。

そしてなぜか、駄菓子屋のおばちゃんは全てを見透かしている…人生の指南役でしたね(笑)