【登場人物】


  • ヒデヨシ(65):町内の猫世話係。ノラ猫“トラ”を勝手に町内のマスコットに認定。
  • カヨコ(60):近所の主婦。ノラ猫を信奉する“猫スピリチュアリスト”。
  • トラ(猫):ボロボロの首輪をつけた三毛猫。のらりくらりしている。
  • スーツ姿の男(黒塗り高級車で登場):謎の人物。



【場面:三丁目の公園ベンチ付近】


(ヒデヨシとカヨコ、キャットフードを並べている)


ヒデヨシ:「おいで〜トラ〜、今日もイワシ入りだぞぉ〜」

カヨコ:「この子、絶対神がかってるのよ。私、宝くじ300円当たった日、トラに出会ったの」

ヒデヨシ:「おれなんて、トラの尻尾に触った翌日、便秘治ったぞ」


(そこへトラ登場。優雅な足取りでチョコンと座る)


ヒデヨシ:「わぁ、来た来た〜!トラは三丁目の守り神じゃ〜」

カヨコ:「“ノラ神様”って呼ばせていただいてます!」


\キキーッ/

(突然、黒塗りの高級車が公園前に停車)


(中から出てきたスーツの男、サングラス越しにトラを見る)


スーツ男:「……いた」

ヒデヨシ:「な、なんだ!?なにその車!?」

カヨコ:「ま、まさか、ノラ狩り!?」


スーツ男:(トラに向かって)「社長…探しましたよ」


ヒデヨシ&カヨコ:「しゃ、社長!?」


スーツ男:「この猫、“会長の飼い猫”でして。年商300億の会社の“名誉執行役員”です」


ヒデヨシ:「えぇぇぇぇええ!?!?」

カヨコ:「え…毎日あげてた…“まぐろフレーク”…って…接待だったの?」


(スーツ男、トラを抱きかかえて車へ)


スーツ男:「さあ社長、今夜は銀座のパーティです。お着替えはこちらに」


(助手席には“猫用のスーツ”と“シャトー・キャットワイン”)


トラ:「ニャー(ドヤ)」


ヒデヨシ:「あいつ…どこまで出世するんだ……」

カヨコ:「来世は猫に生まれたい…!」


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

“ノラ”だと思ってたら実は超セレブ猫――

昭和の町には、まだまだバレてない秘密があったんです(笑)

トラ社長の正体に町内騒然!

フリースタイルで自由気ままな顔して、裏では財界の顔パス猫だったなんて、ズルいにもほどがある!