【登場人物】


  • ヒロキ(17):音楽命の高校生。機械オンチ。
  • マコト(17):クールな友人。ヒロキにテープを貸した本人。
  • ヒロキの母:急に割って入ってくる、昭和的おせっかい係。



【場面:放課後のヒロキの部屋】


(ヒロキ、ニコニコしながらカセットテープをラジカセにセット)


ヒロキ:「よーし、マコトから借りた“ベスト・オブ・TM NETWORK”…聴くぞ〜!」


\ガチャン/


(再生ボタンを押す。音が鳴り出す…が)


\ギャギャギャギャギャ……ピキッ……/


ヒロキ:「……ん?」

(ラジカセを覗く)


\テープ、絡まり大洪水。まるでスパゲティ。/


ヒロキ:「あ、あああああ!!やばいやばいやばい!!」

(あわてて鉛筆を持ってくる)


ヒロキ:「いける…まだ…手動で……」


(鉛筆をテープの穴に突っ込んで回す回す回す!)


ヒロキ:「ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる」

(テープ、さらにぐちゃぐちゃ)


\ピンポーン/


マコト:「よぉ、ちょっと早めに来ちまった。あのテープ、どうだった?」

ヒロキ:「…………」

マコト:「え、まさか…」


ヒロキ:「ごめん。音が…スパゲティになった。」


マコト:「スパゲティじゃねぇよ!それ俺の青春のB面だぞ!!!」

ヒロキ:「でも、テープは戻せるけど…友情は……」

マコト:「お前が言うなぁぁぁ!!」


(母、登場)


母:「あら〜あんたたち、またカセットで喧嘩?昭和ね〜♪」

ヒロキ:「昭和だからって全部許されると思うな!」


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

鉛筆で巻く!息止めて再生!

「カセットテープとの戦い」=昭和の青春修行でしたね。

「友情とテープ、どっちが切れやすいか」って?

そりゃもちろん――両方です。(泣)