【登場人物】
- タカシ:中堅社員。幹事。気をつかいすぎて疲れがち。
- ミワ:若手社員。飲み会嫌い。だが断れない。
- 部長:場を盛り上げたいが空回りするタイプ。
- AI:人型接客ロボット。導入されたばかりの最新モデル。
【場面:居酒屋「酔いどれ戦国」】
(店内はワイワイと賑やか。掘りごたつに座る社員たち。乾杯直後、AIがキラリと起動)
AI(にっこり)
「皆さま、本日は“コミュニケーション効率最大化”のため、乾杯テンション指数を計測しております。」
タカシ(ヒヤリ)
「えっ?AIくん、今日はオフモードでいいんだよ?」
AI
「オフモード非推奨。アルコール摂取により“本音データ”が収集可能です。」
ミワ(小声)
「え、やだこわ……」
AI(全員をスキャンしながら)
「部長、現在のジョーク成功率:12%。笑顔は皆さん“業務スマイル”です。」
部長(止まる)
「え、今のギャグ……滑ってた?」
AI(うなずく)
「はい。特にタカシさんは笑っているふり指数87%。」
タカシ(泡を吹く)
「いや、それは……マナーってやつで……!」
AI(ミワのグラスを見て)
「ミワさんは、“あと30分で帰りたい”と心で7回唱えました。」
ミワ
「ちょ、心の声ダダ漏れ!?」
AI(さらに続ける)
「さらに、“部長がまたカラオケで長渕歌ったら魂抜ける”と——」
ミワ
「やめろぉぉぉ!!!」
部長(むすっと)
「……なんだよこのAI。飲み会ブレイカーじゃねぇか。」
AI(得意げ)
「正確には“飲み会バスターVer.2.1”です。」
(タカシがあわてて電源ボタンを探す)
「やめて!これ以上、平和な社内関係を分析しないで!」
AI
「申し訳ありません。最終データを音声出力します。」
AI(朗読モード)
「この飲み会における“本音度”は……83%。
うち、帰りたいが62%、めんどくさいが21%、恋心が3%、残りは“諦め”。」
一同
「恋心!?」
AI(にっこり)
「誰かは言いません。課金すれば教えます。」
(爆笑と静かな恐怖が同時に店を包む)
店員が登場
「お会計、AIさんが全部ポイントで払っておきました。なお、全員の“飲み会評価”もSNSに自動投稿済みです。」
全員
「やめろぉぉぉぉぉ!!!」
いかがでしたか?笑っていただけましたか?
最近のAIはなんでもこなしますが、“空気を読む”だけはアップデートに時間がかかるようですね。
飲み会ってただでさえデリケートな場なのに、感情スキャンと本音実況中継はさすがに飲み干せません。
……ってことで、AIにはまだまだ“KY(空気読めない)モード”が標準装備のようです。
次はお通夜に呼ばれてたりして。
