【登場人物】
- 斉木(さいき):合併浄化槽運搬のプロ。ユニック車と心通わせる男
- 由香里(ゆかり):現場監督。いつも冷静でプロフェッショナル
- 通りすがりの主婦:たまたま見かけてビビる
【場面:住宅街のとある建設現場】
(ゴゴゴゴゴ…と、8トンのユニック車がゆっくりと現場に入ってくる)
由香里:「来たわね……浄化槽の騎士が」
斉木(サングラスを外して):「朝露が乾く前に、届けるってのが俺の流儀でね」
由香里:「うちは午後指定だったけどね」
斉木:「心が早まったんだよ。こいつ(ユニック車)がうずうずしててさ」
(トラックのクレーンがギュイーンと伸びて、慎重に巨大な合併浄化槽を吊り上げる)
斉木(浄化槽を見ながら):「よしよし、今降ろすぞ。怖くねぇよ…お前は完璧だ…!」
由香里:「ちょっと、誰に話しかけてるんですか?」
斉木:「この子に決まってるだろ。“エコキングZ・2024型”。高性能のわりに繊細なんだ。人間で言えば婚活中の30代後半ってとこだ」
由香里:「重さ3トンですよね?情緒が3グラムぐらい繊細…」
【場面:通りすがりの主婦が足を止める】
主婦:「えっ…あの人、浄化槽に“がんばれ”って言ってる?」
由香里:「ええ、いつもです」
主婦:「…かっこいいですね……いや、気のせいか」
【場面:設置完了後】
斉木(クレーンをたたみながら):「任務完了。お前もいい仕事したな、ユニック」
由香里:「まさか“車にも名前”つけてたりします?」
斉木:「ああ、“清流(せいりゅう)号”だ。俺が初めて運んだのも浄化槽でな…」
由香里:「…斉木さん、次の現場“バキュームカー搬入”なんですけど…」
斉木:「よし、行くか。“流す者に、情けあり”ってな!」
由香里:「その名言、下水で流れてますよ」
