【登場人物】
- 三浦(みうら):女性人事次長。50代、しっかり者だが最近の多様性対応に疲れている
- 張(チャン):明るく前向きな中国人介護士
- カリナ:陽気なインドネシア人介護士
- 総務部長:なんでも“グローバル”って言えば済むと思ってる人
【場面:大手病院グループ本部・人事部オフィス】
(三浦、机に書類の山を積み上げながら電話中)
三浦:「はい…ええ、彼はネパール人ですけど、日常会話は問題ないです。ええ…はい、でも“点滴を静かに刺す”が“元気に刺す”になってると聞きまして…」
(電話を切ると、ため息)
三浦:「最近、辞書より国際色のほうが厚いのよこの部署…」
【場面:休憩室】
張:「次長〜!“やさしい日本語”の研修資料、拝見しました!“とても熱い”のかわりに“すごくあつい”って、なるほどですね!」
三浦:「“灼熱地獄”って書いてたから…患者が怯えたのよ」
カリナ:「私、“体温さがる”って書こうとして“魂ぬける”って書いちゃった!」
三浦(遠い目):「それもう医療じゃなくて儀式…」
【場面:会議室】
総務部長:「いや〜三浦さん、グローバル対応は今後のカギですよ。いっそ“標準語”をエスペラントにするってどうです?」
三浦:「現場が混乱する未来しか見えません」
総務部長:「そこを乗り越えるのが“多文化共生”ってやつで!」
三浦(小声):「せめて、敬語だけでも共生して…お願いだから…」
【場面:エレベーター内・帰宅前】
(張とカリナが笑いながら三浦に話しかける)
張:「でも次長のおかげで、みんな働きやすいって言ってますよ!」
カリナ:「はい!今日、患者さんに“ありがとう”って言われて、泣きました!」
三浦(ちょっと笑って):「……それ、日本語合ってた?」
張&カリナ:「100点満点です!」
(三浦、ようやく笑って)
三浦:「じゃあもう1日がんばれるわ。……ただ、次は“院内掲示板にウクライナ語の注意書き”ね」
張:「私、翻訳アプリ得意です!」
カリナ:「私、ロシア語と間違えないようにがんばります!」
三浦(ため息交じりに微笑む):「よし、じゃあもう全員で日本語覚え直そうか」
