「君主論」を読んで | マルフジノート

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SALVE!(ようこそ)

 先週NHKラジオを聞いていたら聞きたくもないけど国会中継放送していた。

 

 岸田首相が減税したのを6月の給料明細に明記させた件で民主党の辻元氏が「この減税の明記は義務ですか?」と岸田首相にたづねると、岸田首相はのらりくらり答弁してたけど結局義務だと言うとすかさず辻元氏は「それだったたら増税する時も義務なので明記してくださいね!」っと間髪入れずツッコミ!!岸田首相はタジタジの答弁で思わずこれはコントか!と思ってしまった。

 

「目的の為に手段を選ばない」冷徹だと言われるマキャヴェリ「君主論」を最近読んだ。

なぜ読んだかと言うと紀伊國屋書店で、また推してたからと本が薄かったので直ぐ読めるかと、ただそれだけで買ったけど読むのに時間かかった。

 

しかし内容は面白かった。

今、権威主義体制の国の君主はきっとこの本がバイブルなのかも知れないと勉強になった!

 

 

 読んでマキャヴェリは冷徹なのか?

徹底的に古典から紐解いて当時のイタリアの状況を照らし合わせて何が国の為に最善かを徹底的に模索して逆に役人として熱い人間であると感じた。

 

当時のマキャヴェリの役人としての地位は第二書記官、第一書記官が上で主に外交(外務省?)で第二書記官は内省及び軍事(大蔵省+防衛省?)を司る役だった。

但し第二書記官といえど手が回らなければ外交官もしないといけないようでマルチに働いていた叩き上げの役人だったのでこんな徹底的リアリストな名著が書けたのだろう。

 

確かに当初ローマ教皇庁が禁書にする件はわからんでも無い。

 

例えば、

民衆というものは頭を撫でるか消してしまうか、そのどっちかにしなければならない」

 

「新君主の場合国を維持するには信義に反したり慈悲に叛いたり人間味を失ったり宗教に反く行為も、たびたびやらねばならないこともある」

 

共和制の都市の場合、市民の自由の記憶が根強い、一番安全な方策はその都市を抹殺するか・・・」

 

でも良いことも言う。

 

他人の持ち物に手を出してはいけない・・・略奪で暮らす味を占めたものは・・じきに種切れになる」

 

鷹揚吝嗇と言う項では「君主が節約でケチだと評判など少しも気にかける必要ない。

君主の節約心によって民衆に負担をかけず大事業(戦争も含め)に乗り出す方が重要」

 

乱世に行きているので人の本質をよく観察している。

 

・人間は恐れている人間より愛情をかけてくる人を容赦なく傷つける。

・人はただ結果だけを見てしまう。

・傭兵と海外支援軍は役にたたない。

 

最後に冒頭のコントに登場した日本の君主に読んでほしい(もちろん読んでると思うけど)

「名君は単に目先の不和だけでなく、遠い将来の不和についても心を配るべきであり、あらゆる努力を傾けて、将来の紛争に備えておくべきだ」

 

平穏な時こそ読むべき本である。

 

 彼に興味を持ったので次「我が友マキャベリ」(塩野七生著)を買った。