ある天体観測 | うーわ!木がいっぱい生えてきた ~エッセイ・備忘録ブログ~

うーわ!木がいっぱい生えてきた ~エッセイ・備忘録ブログ~

考えたことを

①忘れないようにするため
②不特定の方と共有して、ご意見等いただきたく

ブログに書くことにしました。

ぬばたまの夜

白色矮星が鋭角に氷りついているあたり

稀少種の昆虫などを求めて彷徨っていた概念上の探検家が

不意に、ある存在論上の均衡を崩し

スドンと私の前庭に墜ちて

典型的な乳児の形で泣き始めた


すると


遠い未来と遥かな過去が円環してつながるあたり

原始的ゆえ前衛的なエメラルドグリーンの暖流に溶けて

オウムガイの脚と戯れていた概念上の海女が

ある存在論上の均衡を崩され

ひょいと私の前庭に帰着して

これまた典型的な母の形となって乳児をあやし始めた


それを


私は、人の形の構造物の

最上階のパノラマビューの窓から

何百年に一度の彗星の接近だとか、

何か宿命的に閃光する遠雷だとかを見るような

そんな敬虔な気持ちで観測しているのだ


昨日の夜中のことだ