ICTの活用 | とある音楽教師のつれづれ

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 今や情報技術が格段に進歩し、学校教育においてもICTを活用することは当たり前になりましたね。

 

 かく言う私も、授業にICTを取り入れてすでに10年以上経ちます。ICTの活用は(ここでは特にパワーポイントの活用をさしますが)、以下の理由で生徒の学習に大変効果があると感じています。

 これからICTを活用してみようという方、教員を目指す方等へ、少しでもお役に立てればと思います。

 

・要点がコンパクトにまとめられているので、内容が整理しやすい。

・高度な読解力を必要とせず、多くの生徒に伝えたいことを伝えられる。

・画像や動画を使用することで、視覚や聴覚にダイナミックに訴えることができる。

・スライド形式なので、テンポよくプレゼンが進む。

・一度作成したパワーポイントは、手を加えながら何年か使用できる。

 

一方、メリットばかりではないようです。私が感じるデメリットをあげてみます。

 

・読みものではないので「読ませる」ということにおいてはやや不向き。「読解力の向上」は、これからの教育の至上命題の一つになります。

・教師からの教授型授業になりやすい。

・資料の作成において準備に時間がかかる。特に音楽教師は複数学年を受け持つため、授業準備が間に合わない。

・スライド資料だけを生徒に配布することで、生徒が自力で学習をしようとするときに、文章が少ないので(詳細な解説が少ないので)内容理解が進まない可能性がある。

 

他にも長所、短所はあろうかと思いますが、とりあえず・・・。

 

ここで私の資料をご紹介いたします。

十数年やってきて、こうしたほうがいいかな・・・という思いで開発してきたものです。

 

①スライドタイトル横にスライド番号を入れる

②見て疲れない字体にする

 

 上の画像は、「能楽講座」で使用したものです。

(肖像権の関係で顔を削除させていただきました。学校の授業においては、使用しても問題ないようです)。

 

スライドタイトルに8.という番号がありますが、これは8番目のスライドということを生徒にわかるようにしています。大きく表示してあるので、生徒もスライドの順番がわかりますね。

 

 そして字体ですが、私は、HG丸ゴシックM-PROという文字を使用します。文字にアールがあり、角ばっていないので見ていて疲れません。また堅苦しくなく、生徒も親しみやすいと思います。またポップ体のような軽すぎる感じでもありません。職員室の私の隣の家庭科の先生もこの字体をよく使用するようです。

 

 以前、字体によって記憶に差が出る生徒さんがいると聞いたことがあります。これは学習障害をもつ生徒さんなのですが、ひょっとして健常者においても、長時間の学習に耐えられる字体と耐えられない字体くらいの差はあるかもしれませんね。

 

③画像を挿入し、字だけのスライドを避ける。動画リンクを張り付ける。

 

 上記は、アメリカの音楽についてのスライドです。プランテーションで働く奴隷、それを見守るヨーロッパ系アメリカ人の様子の画像が張り付けてあります。画像は全体の1/3~1/4の下段に張り付ける、美しいスライドになります。画像が大きいときはトリミングをしましょう。画像や文字を優先したい時は、上のタイトルの幅を狭くしましょう。

ちなみに上記画像の赤字、青字の部分は穴埋めにするといいでしょう。

 

 画像右上に青色の再生マークがありますが、ここにはハイパーリンクを張り付けており、下の動画にリンクするようになっています。

https://www.youtube.com/watch?v=zcJ6Wxdcj-E

 

 

 

④重要語句は穴埋めにする

⑤字の大きさをどうするか

⑥文章は区切りのいいところで改行する

 

 上の画像は、日本の民謡と芸能という題材で、壬生の花田植えを扱ったものです。重要語句は穴埋めにして、生徒に書かせます。

また字の大きさは28ポイントくらいを標準とし、行間を調整してバランスをとります。また長い文章は、文章の区切りのいい所で改行します。単語の途中など、中途半端なところでの改行をできるだけさけると美しくなります。

 

⑦配布資料は6スライドで、用紙に合わせて拡大する

⑧生徒には、できればカラー印刷で配布する

 上の画像は生徒への配布資料となります。印刷時に6スライドでページに合わせて拡大すると大きくなって、見やすくなります。

 

 またカラー刷りができればカラーがいいでしょう。以前勤めていた学校はカラー印刷機がありました。管理職によればラーニングコストが通常の白黒印刷機よりも安いということで、みなさんバンバン使っていましたが・・・、カラーの方が安上がりって本当なのでしょうかね。。

 

 ということで、パワーポイントの良さは、生徒がイメージしやすいということにあるのですが、生徒が読む量は圧倒的に少なくなります。

 

 私は、今年度、生徒に読解力を身に付けさせるために、あえてパワーポイントではなく、ワードで資料を作成しています。まあ、これはこれでいいのかもしれませんが・・・音楽の授業というよりは、文字を追いかける授業のようになってしまい・・・、これがいいのかどうか、微妙な所です。。。

 

ご精読ありがとうございました。