お義母さんと研ナオコ | 女子校生の親日記

女子校生の親日記

2019年と2022年に中学受験を終えた中高生の母です。ふたりとも都内の女子校に通っています。

急に本を読む時間ができたので、「覚え違いタイトル集」にも出てきたコレを読みました。

(間違いタイトルは「全員老人」)

 

 

数年ぶりに帰省するにあたり、なるべく平穏に親たちと過ごしたいなと思い。

少し親サイドの発想や感覚に寄り添えることを期待して手に取りました。

 

こちら、認知症の義母を持つ筆者が「事実に基づいて書いた」小説なのですが、途中から涙が止まらなくなって、嗚咽とともに読了しました。。。

※私のリアル義母と話したときも「まだまだよ!」と言われましたが、今、ちょっと気分が老後なんですよね…更年期なのかな…

 

あのねえ、認知症の80代のお義母さんの話なのに、全然共感できるんですよね。

たぶんこの気持ちは、長女の反抗期を経験した頃から始まっている。

 

「自分がいなくては家族が回らない」と自信をもって言えた時期を終えて、子どもが頼もしく成長して外の世界に目が向いてくるのと引き換えに、自分の年齢を意識し始める。なんか調子悪いな、と検索してみると「40代女性がなりやすい」症状だったりする。時々、自分より子どものほうが筋が通っていることに気づいてはっとする。

 

若くいたいわけじゃない。でも体だけでなく、心も時代についていけなくなる日が来て、そんな自分にショックを受けて、だんだん固く縮こまっていく不安。

 

その延長線上に、表紙のように、怒っているようで、おびえているお義母さんがいる。

あんたに何がわかるんだ。

私の人生に口出しする権利があんたにあるのか。

こんな紙(貼り紙)を貼り付けられた私の気持ちがあんたにわかるのか。あんたたちにわかるのか。

本の中で、お義母さんはうっかり悪徳業者と契約して自信喪失したり、お義父さんを愛するあまり疑心暗鬼になったりする。そして、心配してくれる周囲の人の心遣いにプライドを傷つけられる。ひとりでずっと、へとへとになりながら戦っています。つ、つらい。

 

でもねー、あとがきが短いけどすごく良くて、救われる。

 

自分で自分の人生を、少しでもやわらかくあたたかいものにしよう、という心がけと、

親だけでなく、関わりのある人みんなを大切にしていきたい、と思える本でした。

 

 

※余談

妹が6年生の夏かな。美容師さんと話していて、何気なく「最近世の中の出来事に興味がもてない」と言ったら「何いってんの、ダメだよ!」と真剣に諭されて、なぜか「研ナオコのメイク動画見たことある?すごいんだよ!」と見せてくれて「一緒にがんばっていこうよ。僕もがんばりますから」と励ましてくれたのだった。自覚なかったけど相当厭世的になっていたのでしょう。ありがとう、美容師さん、研ナオコ。