4/22 亡くなった日 | まるっとOKな毎日〜重度知的ありの自閉症の女の子を育てています〜

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知的最重度の自閉症の娘との日常を書いています
ママである私の闘病記もたまに出てきます

この日はパートに出勤

朝、前職が介護のパートさんと気管切開の話をしていて

断ろうと思うという話をしたら賛成してくれた

自分が鬼とか人殺しみたいな気持ちだったからホッとした

とりあえず早く気管切開を断った方がいいと思って病院に電話したけど、先生は処置中で出れず


10:30頃に先生から電話

※朝から悪化してる

※血圧がかなり下がっていてすごくキツイ薬を入れてもあがらない

※もしかしたら今日危ないかも

という電話

行った方がいいか聞くとまだ大丈夫

気管切開をしたくないと伝えたけど、今日危ないからそこまでいかないと思うとのこと

気管切開しないことは伝えますねと

今の段階では血圧の薬は入れる、心臓マッサージはしないで変わりないですか?と確認してくれてそうだと答えました


12:30頃に先生から電話

※もう危ない

※回復する事があるかもしれないけど念のため病院に来て

※ドラマみたいに「今夜がヤマです」とかは病状がよみにくくて言えないのが申し訳ないけど来て

と…パートを早退して病院に向かう

向かいながら母やデイなど必要な所に電話する


病院に着いてもなかなか入れてもらえずにイライラする

受付が中のEICUに電話して誰が来てるとか伝えるんですけど、たぶん中がバタバタしてて誰も電話がとれないみたい 

そりゃそうだよね、死にかけてるんだもん

受付の人ののんびりした空気にイラつくけどなにもできない


13:30頃に呼ばれて先生から説明を聞く

※菌の勢いが盛り返して劇的に血圧が下がってる

※黄疸が出てかなり黄色い

※腎臓がほぼ機能してないので尿がでなくて身体がパンパンに浮腫んでいる

※脳の細かい血管がコロニー(菌のボール)によって破裂してる

※熱はずっと40℃


ベッドサイドまで入院して初めて入れてもらえた

パンパンに浮腫んだ黄色い手をさすったり声をかけたりした

時々、寝てるときにいびきをかくような音を出してて

それが元気な時のいびきとそっくりだったから

「普段寝てるときもこんな音だすんだよ」と言ったら

「奥さん来てくれてリラックスしてるんだね」と

「表情も穏やかだもんね、奥さんきてくれて良かったね」と先生や看護師さんがダンナに声をかけてくれた

私、見てられなくて退室


先生に

※今日中に亡くなる可能性が高い

※娘さんに最期に会わせるなら今連れてきて


娘に障害があることは前から話してたけど、騒いだり叫んだりするかもしれないけど良いか?と確認してOK

看護師長さんもOK

電話をかけるために一旦外にでて学校とヘルパーさんに電話

事情を話してヘルパーさんに娘を学校に迎えに行ってもらう


14:30頃に娘到着

ヘルパーさんには近くで待機してもらって、娘をEICUの中へ

娘、初めての場所でかなり不審がってた

なんとかベッドの足元までは行けたけど、ベッドサイドに行くのを嫌がる

機械がいっぱいだし、知らない人がいっぱい

ベッドの高さが高くて、娘の身長だとベッドに寝てるダンナは見えなかったと思う

抱っこしようか?と言っても嫌だと…

指差して「パパねんねしてるんだよ」

「パパさようなら。パパばいばいだよ」

と言いました

娘は早く出たくてどんどん後退りして周りのスタッフさんにぶつかったりしてて、娘も叫んでどんどん不穏に

こりゃもう出なきゃいけないと思いそそくさとEICUを出ました

たぶん3分もいなかったです

ヘルパーさんに電話して来てもらって、娘をデイに連れていってもらいました

看護師さんに「耳は最後まで聞こえてるから娘さんが来てくれたの分かったと思うよ」と言われた


その後はいつその時がくるか分からないから、連絡がつく所にいて

病院内にカフェとかソファーとかあるからと言われてカフェに行ってみた

レモンケーキ頼んだ

自分でもびっくりするくらい落ち着いてた

何度もいつ死んでもおかしくないみたいな事を言われ続けてたからもう心の準備ができてたのかも

泣いたりしないで穏やかに送りたいと思ってた

レモンケーキを一口食べたところでスマホが鳴る

看護師さんが「不整脈でてきてるからいよいよかも、急いで来て」と…

急いでカフェを出てEICUに戻る


本来なら心臓マッサージとかするくらいまでになってたけど、私がしないと決めたから周りで見守るのみ

手を握ったりおでこを撫でたりして「大丈夫だよ」と声をかけた

涙がでてたからふいてあげた

私、なぜか機械の線を見て「これは何を表してるの?」とか看護師さんに質問して看護師さんが全部答えてくれた

基準値はこのくらいだけどダンナさんはこれくらいだから弱ってるんだよとか

ほんとはこのくらい波形が振れるけどダンナさんは振りが小さいから少ししか動いてないんだよとか

本当にもうあとわずかな命なんだなというのを実感した


先生に「痛いとか苦しいとかないんだよね?」と聞いたら

「意識がなくても痛かったら表情がゆがむから、ダンナさんは穏やかな表情だから痛くないと思いますよ」と

「それなら良かった」と言いました


少しずつ機械の波形がフラットになっていって

ピーッと音が鳴って機械を見たらフラットになっていて

先生に「もう死んじゃったの?」と聞いたら

「死亡の確認は私たち医師が①心拍が停止しているか、②呼吸が停止しているか、③瞳孔を確認して死亡を確認するんですが今の状態は医学的にお亡くなりになられています」と…

私がベッドサイドから離れたら先生が確認しますと…

人工呼吸機のスイッチを切って、しばらく様子を見て呼吸をしていないことを確認

瞳孔をライトで照らして確認

聴診器で心拍を確認

「15:10お亡くなりになられました」と深々とお辞儀をされました

娘が帰って30分くらいで亡くなってしまいました

苦しむこともなくスーッと亡くなって、それは良かったです