トントン
誰かが車の窓ガラスをノックした
ふと、顔を上げるとそこには1人の老婆が立っていた
夜も9時過ぎをまわるころ、会社の駐車場。
会社の隣がコンビニなので、ぼちぼち人通りもある。
僕は、外回りを終え帰社して駐車場に営業車を入れて書類やらなんやらを整理していたときだった
ウィー
窓を開けると老婆は悲壮感たっぷりに言った
「お兄さん、200円貸してくれない?」
僕「ん、おばあさんどーしたの、こんな夜に一人で」
老婆「嫁と喧嘩して行く所がないもんだい・・もうノドが乾いてねぇ~、温かいお茶を飲みくてねぇ~」
そーかー
嫁姑戦争の産物なのね、このばあさん
う~ん、ま、自業自得だけど、こんな年寄り一人、夜に追い出されたらアレだなぁ
と思って僕はサイフから1000円を取り出し、ばあさんに渡した。
「これで何かうまいもんでも食って、そんで意地張らないで家に帰りなよ」
するとばあさんは、一度も僕と目を合わせずに
「あんがと」と一言言って去っていった
僕は内心、
なんだよ、もうちょっと、こう、感謝的な態度とかすりゃーいーのに
ま、これでノタレ死ぬこともないだろうし、募金したと思えばいーや。
と、自分を納得させ、その日はそれで終わった
後日、仕事でお客さんの家に訪問中。
そこの奥様が回覧板を見て
「あら~、また出たのね~。先月は駅前だったのに今度は○○町だって」
僕「え~?何?なんなんですかぁ?」
奥様「なんか、200円貸してくれーって見ず知らずの色んな人に声掛けて、それを集めて生活してるばあさんがいて・・・」
えっ?!、それってこの間のババアじゃねぇか?
奥様「あら、この辺じゃ有名よ、このばあさん。なんでも、けっこうイイ暮らししてるらしいわよ。車とかもレクサス乗ってるし」
ま、マジかぁー
僕の純粋な心意気は、爆破解体のビルのように崩れさっていきました。
まさか30歳過ぎて自分では「変な勧誘にだまされるほどオレは甘くはねーぜ、人生で経験してきたものが違うっちゅーねん」と普段からイキマイテいたのに、こんなんに騙されるとは・・
みなさんも、東三河周辺の200円貸してくれババアには気をつけてくださいね