朝
僕はトイレでうんこをしていました
すると窓の外から
何やら話し声が
どうやら、階下の駐車場のところで
おそらく幼稚園か保育園のお迎え待ちとおぼしき
4歳くらいの女の子と
それにお見送りにきているおばあちゃん
その二人の会話が
駐車場で広いですから
声が響いて結構遠くまで聞こえるんですね
で、まあ
聞くともなしに何となく耳に入ってくる会話
子供「ねーねーおばーちゃん、何かお話をしてー」
ばあさん「お話かい?でももうバスが来るからねー、また今度ねー」
微笑ましい会話です
子供「えー聞きたい聞きたいー、お話聞きたいー」
ばあさん「そうかい、じゃあしょうがないねぇ、ちょっとだけだよぉ」
と、話しはじめるばあさん
ばあさん「むかーしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでおりました」
おっ定番やなっ
桃太郎かっ?それは桃太郎なのかっ?
「おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯にいきました
すると、川上から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました
おばあさんはそれを拾って家に持って帰りました
そしてその夜、おじいさんと二人で桃を食べようと包丁を入れると、なんと中から元気な男の子が出てきました。
おじいさんとおばあさんは、この男の子に桃から生まれた桃太郎と名づけました」
あー、やっぱりな
桃太郎や
定番だしな
子供も聞き飽きてるだろうに
と思いつつも、話の続きに耳を傾ける僕
「それから何年かが経ち、すっかりたくましく成長した桃太郎は、村を荒らす鬼を退治に鬼ケ島へと向かうことになりました
その旅の途中、一人の可憐な女性に出会いました
桃太郎はすっかりその彼女に一目惚れをしてしまい、やがて二人は付き合いはじめました」
僕「ん?、なんか話しがちょっと違うぞ・・、なんだこの聞いたことのないストーリーは?」
さらに話しの続きを聞く僕・・
「それからしばらくは二人幸せな日々がつづきました。
ところが、ある日、彼女がとても悲しそうな顔をしています。
桃太郎がどうしたの?と尋ねると
実は私は、もうすぐ月に帰らなければなりません。桃太郎と別れるのはとても辛い・・でも、もう迎えの者がやってくるのです・・ごめんなさい・・
そして月からの迎え者がやってきて、彼女は月へと帰ってしまいました
お互い好き同士だったのに、離れ離れになってしまった二人
でも桃太郎は彼女のことをどうしても忘れられません
ついに意を決して彼女に会いに行くことにしました
やっとの思いで月まで辿りつき
彼女と感動の再会・・
でも、彼女は先日、交通事故にあって記憶をなくしてしまっていて
桃太郎のことは覚えていません
せっかく会いに来たのに・・
悲しみに暮れる桃太郎・・」
ここまで話した時点で
ブロロロローー
ばあさん「あっ、ホラ、○○ちゃんバス来たよー、はい、いってらっしゃーい」
子供「うーん、いってきまーす」
はあさん「ばいばーい」
ブロロロロローー
・・・・
おいっ!
桃太郎はどうなんねん?
その後、桃太郎はどうなんねん?
たぶん、このばあさんのアドリブだと思うんですが
ものすごい続きが気になります
でも、まさか「さっき僕、そこでうんこしながら聞いてたんですけど・・続きを教えてもらえないですか?」とも聞けませんし・・
朝から近所のばあさんに
意図せずに宙ぶらりんで歯がゆい思いをさせられたって話でした