辺見じゅんさんの ベストセラー本を 映画化した

『ラーゲリより愛を込めて』2022年公開

 

戦後もシベリアに抑留されるも、仲間を励まし懸命に生きた男の実話

 

 

たまたまテレビをザッピングしていたら、放送されていて、途中から観ました。

 

 

胸が苦しくなったり、人間の生きる真の心が動かされる人が多い映画だと思います。

 

 

人が、家族をおもう、仲間をおもう、大切にする

 

人が動物をおもう、動物が人をおもう

 

全て根底にあるのは、あたたかく熱い愛

 

 

ラーゲリで、日本人捕虜たちに可愛がられていたクロ(犬)

捕虜だった日本人達が乗る日本への引き上げ船を、氷河が覆いつくす海に飛び込み、追いかける。

本当にあった話。

 

※ラーゲリとは、ソビエト連邦の強制収容所のこと

 

 

主人公 山本幡男さんが

ラーゲリで、余命いくばくもない中、家族へ宛てた遺書があります。

 

必死で書いた遺書は、ラーゲリで没収されてしまいましたが、

仲間達が分散して暗記し、頭の中に入れて日本へ持ち帰ります。

 

その頭の中に入れて持ち帰った遺書を、山本幡男さんのお母さん、奥さん、子ども4人に届けます。

 

その中で、子どもたちへの遺書が、

現在の私たち未来の人たちにとって、意味深いと感じました。

 

映画の中では、全文は出てきませんが、

山本幡男さんのご長男 山本顕一さんのHPに家族宛の遺書が掲載されていますので、そちらも参考にさせていただき一部掲載します。

 

--- 子どもたちへ宛てた遺書の一部 ------------------

 

君たちは、之から人生の荒波と闘って生きてゆくのだが、君たちはどんな辛い日があらうとも、光輝ある日本民族の一人として生まれたことに感謝することを忘れてはならぬ。

 

日本民族こそは将来、東洋、西洋の文化を融合する唯一の媒介者、東洋のすぐれたる道義の文化−−人道主義を以て世界文化再建設に寄与し得る唯一の民族である。

この歴史的使命を片時も忘れてはならぬ。

 

また君たちはどんなに辛い日があらうとも、人類の文化創造に参加し、人類の幸福を増進するといふ進歩的な理想を忘れてはならぬ。偏頗で驕傲な思想に迷ってはならぬ。どこまでも真面目な、人道に基く自由、博愛、幸福、正義の道を進んで呉れ。

 

最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。

友だちと交際する場合にも、社会的に活動する場合にも、生活のあらゆる部面において、この言葉を片時も忘れてはならぬぞ。

 

人の世話にはつとめてならず、人に対する世話は進んでせよ。但し無意味な虚栄はよせ。

人間は結局自分一人の他に頼るべきものが無い−−−といふ覚悟で、強い能力のある人間になれ。自分を鍛へて行け! 精神も肉体も鍛へて、健康にすることだ。強くなれ。自覚ある立派な人間になれ。

 

四人の子供達よ。

 

お互いに団結し、協力せよ!

 

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一部ですが、

 

山本幡男さんのこれからの日本を担っていく人たちに託すおもいが強く伝わってきます。