自分には、これが足りない、あれがないと、ついマイナスの部分、
不足に目がいきがちです。
確かに、「ないもの」を探す方が、分かりやすいし、ラクです。
「持っているもの、あるものを言ってください」と言われたら、
あり過ぎて分からないものです。
以前、こんなことがありました。
庭の木の剪定をしようかなと、庭の木をみつめて立っていたら
(見つめて立っていたら、あやしいですよね)
ご近所の70代女性が通りかかり「なんしよっと?」と声をかけてきました。
この木が伸びたから、切ろうかなって考えていたところと話すと、
女性 「剪定鋏を持っておいで!」
私 家に探しに行って持ってきて「これあんまり切れないかも」
女性 「どら、貸してん!」と剪定挟みを持ってチョキチョキ「切れるがね!」
私 「意外と切れるね」
女性 「「馬鹿とハサミは使いよう」って言うやろ?」
私 「そうやね^^」
そして、なぜか、2人で「馬鹿 と ハサミは 使いよう」と園児のようにリズムよく
3回言って笑っていました
アドラーは
「大切なのは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかだ」
といっています。
アドラーの心理学は、何を持っているか「所有の心理学」ではなく、
「使用の心理学」といわれます。
私は、切れの悪いハサミをもっている(所有の心理)だったのですが、
馬鹿とハサミは使いよう(使用の心理)を使い、立派に剪定できたのです。
この女性は、長年農業に携わっていたので、草取りも上手です。
私と同じ手を持っている(所有の心理)のに、使い方ひとつ(使用の心理)で上手に草を取るのです。
与えられたものを大事に使う。使い方を工夫してみる。
日常生活の中からの学びは、大きいです。