10月8日からは二十四節気「寒露(かんろ)」、七十二候「鴻雁来(こうがんきたる)」が始まります。

夜が長くなり、草花に冷たい露がつく頃とされています。

 

寒露かんろ

寒露ってどんな時期?

・秋晴れの時期

秋雨前線がだんだんと南下して、大気が安定していきます。空気が澄んで秋晴れの日が多く、過ごしやすい時期。しかし、朝晩の冷え込みが厳しくなってくる時期でもあるので、体調を崩さないようご注意ください。

 

・月がキレイな時期

先程、この時期は空気が澄んでいると言いましたが、それをより実感できるのが夜。ぼんやりと霞がかった月ももちろん風情がありますが、秋の月はうさぎの形に見える月の模様までハッキリと見え、その美しさがよくわかります。温かい飲み物でも飲みながら、いつまでも眺めていたくなりますね。

 

・冷たい露の時期

秋が深まると、草花には冷たい露がつき始めます。朝日に照らされ、葉先でキラリと光る一粒の露はどことなく神秘的な印象さえ受けます。

 

この時期ならではの光景に魅了された昔の人は、なんと文様でその美しさを表現しました。玉になった露が、風になびく芝の葉先に光っている様子を表した「露芝文様(つゆしばもんよう)」。野の芝に、秋の冷気で露がつく様は涼を感じさせるため、秋のみならず、暑い時期の着物の文様としても親しまれているようです。
 

 

 

鴻雁来こうがんきたる

 

第四十九候「鴻雁来 (こうがんきたる)」 10/8~10/12頃
七十二候が寒露の初候に変わり、雁が北から渡ってくる頃となりました。

 

日本で冬を過ごす雁が、ツバメと入れ違いに北から渡ってくる時期です。雁はなんとロシアから4000キロも旅をして日本にやってくるのです!

 

雁はどんな鳥?

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雁は、カモより大きく、白鳥よりも小さいカモ目カモ科の水鳥の総称。
9月末頃から日本に渡ってきます。
日本に飛来する雁の8割近くが越冬することから、宮城県では県鳥に指定されています。
宮城県北部にある蕪栗沼や伊豆沼の他に、北海道の宮島沼、新潟県の福島潟も雁の飛来地として有名なようです。

昔は、雁の狩猟が行われていたようですが、現在では保護対象となっており、繁殖地の減少などが懸念されています。

 

長旅を経て日本へ

雁は繁殖地であるロシアからはるばる日本にやってきます。
雁の繁殖地は北極圏に近いため、夏が短く、8月下旬になれば雪が降り出します。
夜を過ごす湖沼が雪や氷に覆われてしまうと、生活ができなくなってしまうので、拠点を南に移していきます。

渡り経路としては、
繁殖地(ペクルニイ湖)→カムチャッカ半島→北海道→秋田県→宮城県
飛行する距離は実に4000km!
なんとも果てしない距離ですが、この長い距離を渡るために雁たちはある工夫をしているんです。

(ウェザーニュースより)