七十二候が処暑の初候に変わり、綿を包む「柎=花のがく」が開き始める頃となりました。
優秀な素材です!
綿といえば、衣服やタオルに使われており、非常に身近な素材の一つ。通気性や吸湿性に優れているため、今の時期に着る服としてはピッタリ!
しかし、活躍するのは夏だけではありません。保温性もあるため、冬は暖かいんです。
毛羽立ちやすいなどの難点もありますが、丈夫で季節を問わず愛される素材です。
開いた時が感動の瞬間
そんな綿の栽培は、ゴールデンウィーク頃から始まります。
初夏にまいた綿の種は、気温が高くなる6月末~夏に向けてグングン生長します。
7月中下旬頃には花が咲き、枯れた後はいよいよ結実。
ぷっくりと膨らんだ実は、開花からおよそ40~50日後にパンッと開き、白い綿が顔をのぞかせます。
今回の七十二候は、綿を包む柎(うてな)が開き始めるこの頃を指していたのです。
※柎とは花の萼(がく)のこと。
柎が完全に開き、綿花をしっかりと乾燥させたら収穫することができます。
色にご注目
先程、7月中下旬頃に花を咲かせるとご紹介しましたが、皆さんは綿の花を見たことがありますか?
淡い黄色の美しい花なのですが、残念なことに1日でしおれてしまいます。
そんな限られた時間の中で生きる綿の花をじっと観察していると、花弁の色が変わってくるのです。
初めは淡い黄色でしたが、段々と薄いピンク色へ。さらに時間が経過し、しおれてしまうころには濃いピンクになります。
花弁の色が変化する花は珍しいわけではありませんが、花によって色合いには個性があります。
綿の花の場合はどんなふうに変化していくのか、じっくり観察してみるのも面白いかもしれません。
(ウェザーニュースより)