日吉大社 | よしおのブログ

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好きなことをつらつら書いていきます。
『古事記』に出てくる神社に行くのが好きです。

滋賀県の比叡山にあります「日吉大社」に参拝してきました。


次に大山咋神(おほやまくいのかみ)。またの名は山末之大主神(やますゑのおほぬしのかみ)。此の神は近淡海国の日枝山(ひえのやま)に坐す。また葛野(かづの)の松尾に坐す、鳴鏑(なりかぶら)を用ゐる神ぞ。 (『古事記』 大年神の系譜)


次に大山咋神。別名は山末之大主神。この神は近江国の比叡山に鎮座していらっしゃる。また葛野の松尾に鎮座され、鏑矢(かぶらや)を使う神である。



よしおのブログ-大山咋1

日吉大社の祭神は「大山咋神」(おおやまくいのかみ)といいます。

大山咋神は須佐之男(スサノオ)の孫に当たるので、大変由緒正しい神様ということになります。


さて、比叡山といえば延暦寺が有名ですが、この神社は延暦寺よりもずっと昔から存在した神社です。

社伝によると2100年前の崇神天皇7年に社が建てられたそうです。

延暦寺は788年に創建なので、延暦寺創建の1300年以上も前からある神社になります。古い!



よしおのブログ-大山咋2 これは「山王鳥居」です。

手を合わせているようにも見えるので「合掌鳥居」ともいうそうです。

あまり見かけない形をしてますよね。そして仏教色の印象を強く受けます。

神仏習合の象徴のような鳥居です。

山というのは神が住んでいる場所と古代から考えられてきました。

そこに仏教が伝わってきて、僧たちが山で修行をするようになります。

「神の住む場所」と「僧の修行の場所」という神聖さが合わさって、神仏習合がなされてきたのです。

この鳥居の仏教っぽくて、神社っぽいのはそんなわけがあるのです。



よしおのブログ-大山咋4この写真は「東本宮」の楼門です。

日吉大社には東本宮と西本宮があって、それぞれ別の神様を祀っています。主な神さまを挙げておきます。


東本宮:

「大山咋神」とその妻「鴨玉依姫神(かもたまよりひめのかみ)」など


西本宮:

「大己貴神(おおなむちのかみ)」(=大国主)や「田心姫神(たごりひめのかみ)」など



よしおのブログ-大山咋5 この写真は大山咋神の鎮座する東本宮本殿です。


なぜ西と東に2つ本宮があるのか?

天智天皇の時代に奈良から大津へ遷都が行われました。その際、国家鎮護のために「大己貴神」を呼んで、比叡山に祀りました。それが西本宮です。

つまり、もともと比叡山に祀られていた東本宮(大山咋神)の他に、都を守ってくれる神社をもうひとつ造ったということです。

その後の平安京遷都では比叡山は都の鬼門になり、延暦寺も創建されて、さらに篤く信仰されていくことになります。


よしおのブログ-大山咋6

さて、この写真は大山咋神の奥さん「鴨玉依姫神」の説明をしたものです。

一目見て、なにか変なところありませんか?

そう、「鴨」という文字が入っているのです。一体なぜ、比叡山に鎮座する神様の名前に「鴨」という文字が入っているのでしょうか?


※以下は、筆者が個人的に調べたものです。


『山城国風土記』という京都(山城)の神話集があります。

その中に下鴨・上賀茂神社の由緒を説明した伝説が記されています。

要約すると、こんな話です。


「ある日、玉依姫が川で丹塗り矢を拾って家に持ち帰ったところ、姫は妊娠した。生まれた男の子は成長して、上賀茂神社の祭神「賀茂別雷命」になった。」

まぁこんな話です。この話を読んで残る疑問がありました。それは、賀茂別雷命の父親は一体誰なのかというものです。

丹塗り矢を持ち帰って妊娠したということは、丹塗り矢が父親なのは間違いないのですが、その矢に化けている神様が分からないのです。

『山城国風土記』では「乙訓の群の社に坐せる火雷命」が父親だと一応は記していますが、どうもこの文章は後になって書かれた可能性があるらしく、疑問を解くことはできません。

<参考>賀茂御祖神社(下鴨神社)http://ameblo.jp/martin42mec/


さらに文献を漁って父親捜しをしていたところ

「知っておきたい日本の神話」(瓜生中 角川ソフィア)の上賀茂神社の説明の箇所にこんな文章を見つけました。


「比叡山の麓に鎮座する日吉大社(滋賀県)の伝説によると、ワケイカズチの父親は日吉大社の祭神である大山咋神(以下、オオヤマクイという)であると伝えられている。」(p206)


よしおのブログ-大山咋3 つまり、上賀茂神社の祭神「賀茂別雷命」の父親は日吉大社の大山咋神だというのです。

そしてそこから考えると、賀茂別雷命の母親と大山咋神の妻は同一人物になります。

日吉大社にも祀られている「鴨玉依姫」は大山咋神の妻であり、賀茂別雷命の母親なので「鴨」の文字が入っていると考えられるのです。


他の神社との関係性も神社の面白いところですよね。



日吉大社の神使は「猿」です。山王鳥居の先に猿小屋があって飼われていました。参拝のときは見てみてください。


全国の日吉、日枝、山王神社の総本宮の日吉大社。

神社にしては珍しく料金かかります。※参拝だけでも料金かかります。

大人一人300円で、小人150円。維持費だそうです。


おわり