- ~今回の「アージェント」をご紹介する前に今回のひとつ前に今年の1月にアップしたものをリメイクしてアップしていますので、まずはそちらをご覧下さい。~
- 今回は前回のアップ時にご紹介出来なかったアルバムが、この度日本盤で発売されましたので、その中からご紹介したいと思います。今回は以下の2作。(その他のアルバム近々ご紹介予定。乞うご期待。)
- ※メンバー等の情報は前回ブログをご覧下さい。
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「ARGENT/NEXUS(連鎖)」EICP-1017
1. コホーテク彗星の到来 (The Coming Of Kohoutek)
2. かつて太陽の回りでは(Once Around The Sun)
3. 無数の放浪者(Infinite Wanderer)
ロッド・アージェントとクリス・ホワイトとのコンビによる作品。この3曲は3部作で続けて演奏される。頻繁に、この曲へのコメントとして、冒頭のメロディーのことを『ベルリオーズの「幻想交響曲」のメロディー』として紹介されているが、これは厳密に言えば、多少違っている。
このメロディーは『ベルリオーズの「幻想交響曲」などに使われた、「怒りの日」というグレゴリオ聖歌のメロディー(西暦1200年代に編纂された、おそろしく前からあるメロディー)であり、「幻想交響曲」以外にも、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」マーラーの「sym2 復活」などにも使われているメロディーだ。
この怪しげなメロディの後、ムーグがなり、キース・エマーソンばりの早弾きオルガンが聴かれる。この辺りはEL&Pの「トリロジー」における「永遠の謎パート1」のような展開を見せているが、後半リズム隊がマーチング・スタイルになったり、変幻自在な、こちらも「トリロジー(3部作)」だ。この作品には他に有名なベートーベンの「sym5運命」のメロディーも絶妙の隠し味として登場している。
4. ラヴ(Love)
ラス・バラードの作品。何となくこの作品が発売された頃(時代)の、ポップスに近いギター・ソロが聴かれるが、ラスの作品としては、発売当時からこのようなバラードよりもっと荒々しいロックン・ロールを期待するリスナーの方が多かったようだ。しかし個人的にはこのようなタイプも大歓迎。
5. 宇宙からの音楽 (Music From The Spheres)
この長い曲は、個人的には「アージェント」の最高傑作ではないか?と思っている。素晴らしい展開をみせるこの曲は中盤完全なフュージョン音楽のような演奏となる。ライブでもこの曲を演奏している彼らは全員超人的演奏能力を発揮している。
余談だがこの曲の中間部のコーラスを友人の音楽仲間に聴かせたところ、『これクイーンの「フラッシュ・ゴードン」の真似か?』と言われたが、この作品は1974年の作品。「フラッシュ・ゴードン」の6年も前の作品。コーラス・ワークの雰囲気は確かに似ている。
ここまでが、LPのA面。
6. 電撃の嵐(Thunder And Lightning)
ラス・バラードの魅了全開のナンバー。この曲もライブで聴くと迫力満点。いうまでもなく、このラス・バラードにもファンが多い。(IN DEEPの)「イッツ・オンリー・マネー・パートI &Ⅱ」などもそうだが、ポール・マッカートニーが「アイヴ・ガッタ・フィーリング」を唄っているようなシャウトが聴ける。この曲はプログレッシヴ・ロックとは言えず、70年代のプログレッシヴ・ロック以外のロックを代表するような出来。
7. 炎の守り人(Keeper Of The Flame)
ロッド・アージェント&クリス・ホワイトの作品。ボーカルはラスということもあるので、ラスの作品かと思った作品。
8. 人間(A Man For All Reasons)
ラス・バラードの作品。こちらは、最初に聞いたときは逆にロッドの作品と思った。これは特にオルガン奏法において、プログレッシヴ・ロック的且つクラシカルなアレンジがされているせいと思われるが、うまく両者(ラス&ロッド)の魅力がブレンドされている。「ホールド・ユア・ヘッドアップ」など、この手のサウンドは「アージェント」の十八番。
9. 創造主との出会い(Gonna Meet My Maker)
ラス・バラードの作品だが、再びプログレッシヴ・ロックの影は潜めハードなポップが展開。実はこのロッドとラスの作風の違いが、バンド「アージェント」の魅力であり、またラスの脱退へもつながる。このあたりの様子をドラマーのボブ・ヘンリットがインタヴューで次のように語っている。
「ロッドとラスは音楽的に全く正反対の位置にいた。僕とジム(ロッドフォード)がその間に入ってグループをうまくやっていくために、随分と苦労したよ。だからグループ全体としての音楽の方向はあっちを向いたり、こっちを向いたりで全く一定しなかった。確かにうまく行っている時もあったけど、あの頃はこの先どうなるのか見当がつかなかった」
と語っている。このアルバムは確かにその不安定な作品ともいえる(しかもそれが原因でラスは本作後発売されたライブ盤を最後に脱退)が、そのクオリティーは驚くほど高い。
※ジム・ロッドフォードは後にキンクスに参加。ボブ・ヘンリットも更に遅れて80年代になってからキンクスに参加している。
- 次は。。
- サーカス幻想(紙ジャケット仕様)/アージェント
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「ARGENT/CIRCUS(サーカス幻想)」EICP-1019
このアルバムはラスが脱退し、代わりにジョン・ヴェリティ、ジョン・グリマルディの2人が加わった後の初アルバム。この2人のジョンのうちヴェリティはヴォーカルも担当しており、明らかに「アージェント」のコーラスの質を変えている。
しかしこのメンバーによるアルバムはこの作品と次作「COUNTERPOINTS」だけである。ラスというアージェントに大きな影響を与えていたアーチストがいなくなってしまったので、当然の事ながら、サウンドは前作までとかなり違ったものになっている。
1. サーカス幻想(CIRCUS)
当時流行のメロトロンの音でスタート。もうこれだけで、ラスのいなくなってしまった「アージェント」と分かる、プログレ寄りの曲。インストルメンタルと思いきや、最後が近づいて来て漸く歌詞が入る。
2. 死の綱渡り (HIGHWIRE)
ジャンル的にはプログレッシヴ・ロックに入りそうな9分以上の大作。こういった曲は途中、マンネリを産むが、途中からベースを合図に曲調が代わり展開してゆく。新生アージェントはこういった作品をメイン・レパートリーにしていたようだ。
3. 一人ぽっちのクラウン (CLOWN)
もしゾンビーズが「ふたりのシーズン」後も解散せず、且つポール・アトキンソンも病気にならず健在なら、おそらくこういった曲がメインになったのではないだろうか。ピアノと分厚いコーラス、透明感のあるシンセ、どれもとっても最高の出来だ。この曲を聴けただけで、このアルバムをゲットした価値がある位の曲。ジャンル的には極上のポップス。
ここまでが、LPならA面。
4. 空中ブランコ(TRAPEZE)
B面トップらしい、それまでとは毛色の違った曲。 この曲も9分近くある大作で、かなりハード・ロック風な展開+ジャズ・テイストが感じられる。中盤ロッドのキーボードを合図にフュージョン的展開もみせる。
5. 微笑みのサンシャイン(SHINE ON SUNSHIN)
これも極上のポップス。「一人ぽっちのクラウン (CLOWN)」と同じように美しい曲。この曲もちょっとやそっとではお目にかかれない程の隠れた名曲だと思うが。
6. リング (The RING)
これはロッドのキーボードによるお遊び的小品。
7. おいらは道化師 (THE JESTER)
おかしな邦題が付いているが、ご機嫌なR&Rといえる。最後はロッドお得意のスコット・ジョプリン風のライグタイム・ピアノでカッコ良く決めている。
ということで今回は、以上2枚だけご紹介した。しかしこの2枚は未だほんの一部の紹介に過ぎず、他にも未だ名盤が多々ある。(特に「IN DEEP」と「RING OF HANDS」は外せない)こちらも近々ご紹介したい。
また前回のブログにも書いたが、「アージェント」最後のアルバム「COUNTERPOINTS」はまだ日本盤はおろか、本国でもCD化されていないようだが、素晴らしいアルバムなのでこれも機会が来たら御紹介したいと思う。