「月夜の晩に」

拝啓、お月さま。
お久しぶりです。マルートカは、このところ、うっかりあなたのお姿を拝見することなく、
道っ端ばかり見て家路を急ぐ毎日でした。
今夜、久しぶりにあなたを見上げたのは、他でもない、隣の国に散歩に出掛けた友達マトリシアが、
愛する人と二人であなたを眺めていると手紙をいぬ鷲に託して届けてくれたからです。
あなたは、今夜の二人のために、大張り切りで、まるで白い太陽のように
照っている。あの二人が今しも見ているあなたを、ここで私も同時に眺めていることが、
嬉しくて嬉しくて仕方がないので、私はもう一人の友達ミカーラにもいぬ鷲に手紙を託して知らせました。
今度、マトリシアと、その愛する人と、ミカーラに会ったとき、
私たち、今夜のあなたの姿について語り合えるのです。
すてき!
私たちは、日中、この季節にしか採れない繊維で機織りをしている仲間でもあるのです。
女たちは、忙しく糸を紬いだり機織りしたりしながら、たくさんおしゃべりするのです。
泣いたり笑ったり、それはそれは感情豊かに!
明日は、まず、あなたの話から。
あ!
今、いぬ鷲がミカーラからの返事を持って舞い戻って来ました!
ミカーラはお星さまたちのことも褒めています。どうぞ、よろしくお伝えください。
感謝を込めて。

マルートカより