皆さん、今晩は!!(/・ω・)/
初めに、3日間の視察は、無事無事故で帰宅することができました。
さて、視察最終日の今日は、神奈川県大和市において「学びの多様化学校(引地台中学校分教室)」について、調査してきました。
不登校は全国的に増加しており、それは伊勢崎市においても同様です。各地の教育委員会が中心となってそれに対応していますが、なかなか減らないのが現状です。大和市では、不登校生徒への新たな支援、学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)「引地台中学校教室」を開設し、同教室で一人一人の状況に合わせた支援をスタートさせました。なお、このような取り組みは、県内の公立校では初になります。
これまで大和市では、不登校となることを未然に防ぐため、その要因を早期発見し 解決できるよう「不登校生徒支援員」を、会計年度任用職員として不登校に特化して、中学校全校に配置しています。またすべての中学校に、臨床心理士などの資格を有した「スクールカウンセラー(県費)」も配置し、心理的な問題に対して日常的な支援を行っています。また、学校に登校できなくなった子どもたちに対しても、大和市青少年相談室には、「スクールソーシャルワーカ ー」や「青少年心理カウンセラー」を配置し、相談や解決に向けた支援を行うとともに、学校復帰を目指す教育支援教室「まほろば」も整備しています。
これまで、不登校生徒一人一人の状況に寄り添う支援体制をとってきましたが、これまで通ってきた学校以外の場で、社会的な自立を望む生徒もいます。そこで市は、不登校の生徒の選択肢が増えるよう、学校への復帰を目標としない「学びの多様化学校(不登校特例校」を引地台中学校に分教室として、国及び県と協議を重ね、開設するに至りました。
分教室は、市立柳橋小学校の敷地内にあり、入り口は別にして通学。市立引地台中学校を母体とし、各学年1学級増えたという形態をとられています。常勤教諭は4名で、全科目にわたる先生がいないため、本校から来ていただいているとのことでした。
生徒は3学年合わせて20名ですが、授業は全員一斉にされており、勉学より学ぶ楽しさを教えることに力点を置かれ、一人ひとりの状況に合わせて無理なく学校生活が送れ、社会的自立に繋がることを目指されています。
〇大和市では、不登校生徒の社会的自立を目指す「不登校特例校分教室」を令和 4 年
4 月に定員 30 名にて「引地台中学校分教室」として、柳橋小学校敷地内に開設。
令和6年4月現在、
中学 1 年生 8名(1名)
中学 2年生 8名(5名)
中学 3年生 4名(7名)
令和 4年 9月現在( )内は開室時
年間 30日以上欠席している生徒数は平成 22年 183人で、令和元年では 238 人と
増加傾向にあります。
〇「不登校特例校」でなく「不登校特例校分教室」開設の経緯「不登校特例校」とするには
設備面等含めての国(文部科学省)設置基準へのハードルが高く、「不登校特例校分教
室」については比較的、速やかに設置し易い。但し、教職員の配置等については県教育
委員会の権限裁量が大きいようです。
〇開設費用、運営費等財政面について 補正予算額 43,281 千円(補助金なく市の財源) (内訳) 需用費(消耗品)3,190千円
委託料 3,128 千円
工事請負費 36,963千円
〇教育プログラムの内容について
・年間 910時間で通常学級の1015時間のカリキュラムにより105時間 少なく、ゆったり
とした時間割です。それでも不足する時間数は、放課後などで対応しているようです。
〇コンセプト
≪つくる≫≪決める≫≪決めつけない学校≫⇒『学校らしくない学校』づくりへ
☆成果
・一つひとつの案件について、生徒同士で意見を出し合って決定。その後、実際に取り組
んでみて気が付いたことを確認し修正。
・自己決定の練習(常識・中学校らしさ・学校だからという)押し付けない安心感 ⇒ 自分
なりの居場所づくり ⇒ 自分の本当の想いの表現 ※不登校座談会
★課題
・教員の意識の共有(持続可能性として)
今回の視察を踏まえて、不登校児童・生徒への取り組みについて学ぶことができた一方、
不登校問題に対する課題等も見えてきました。 「不登校特例校」はグラウンド、教室など設備面等における様々なハー ドルが高く、「不登校特例校分教室」においては、設備面でのハードルは低いと感じますが「不登校特例校」「不登校特例校分教室」ともに、教員配置の問題など多くの課題をクリアしていかなければなりません。また通室できない児童・生徒本人は勿論のこと、複雑な家庭環境も踏まえた支援体制も充実させなければなりません。そのためにも、教育・福祉・保健・子育て支援など、横断的な体制整備がますます必要になってきていると感じます。