みなさん、今晩は!\(^o^)/
「花の命は短くて/苦しきことのみ多かりき」。明治生まれの作家・林芙美子氏は、友と酒と
旅を愛したようです。『放浪記』には、友と酌み交わそうと、次々に蔵書を売り飛ばす場面が出
てきます。早世だった彼女が生きていたら、思うに任せぬコロナ禍をどう生きたでしょうか。
芙美子氏と同じ1903年に生まれた田中カ子(かね)さん(福岡市)が、聖火リレーへの参加
をめざしていると聞き、胸躍りました。世界最高齢の118歳です。体調や天候によりますが、
介助者が押す車いすで走るそうです。そして、本人は最後の数歩を自分の脚で歩き、次の走
者に聖火を渡すと決めているようで、来月に、福岡県内のコースをつなぐと言います。
戦争と2度のがん手術を生き抜きました。2度目の大腸がん手術は、103歳の時に東京で。
術後、「元気になったら何がしたい?」と聞く主治医に、「ビールが飲みたい」と答えているそう
です。
そんなカ子さんが、息子の復員をどれほど喜んだことでしょうか。<戦地より命拾いし息子ら
と/たのしくすごす倖せの日々>(93歳)。かけがえのない人と一緒に過ごせることは、当た
り前ではありません。聖火には、平穏な世界を願うカ子さんの思いも込められています。
「花の命は~」に続きがあります。「苦しきことのみ多かれど/風も吹くなり/雲も光るなり」。
耐えて咲く花にとって、政治こそが吹く風、光る雲であらねばなりません。桜舞う、聖火の道。
決意を新たにする、4月ではないでしょうか。