ずっと気になっていた作家さんがいたので、こちらを買ってみました。
イケメン四人と甘々シェアハウス (幻冬舎ルチル文庫)
713円
Amazon |
イケメン四人のシェアハウスで誰と恋する!?
貧乏大学院生の木澤一二三は、住んでいたアパートが全焼。途方に暮れていると昵懇にしていた富豪の上野翁から自身の所有するシェアハウスへの入居を勧められる。そこにはカリスマ美容師・全、リノベーションデザイナー・旭、料理研究家・凪と個性あふれるイケメンばかりが住んでいた。彼らは自分の得意分野で、新参者の一二三の世話を焼き甘やかしてくれていた。だが一人だけ、整形外科医の睦月だけは不器用に接してきて温厚な一二三を戸惑わせるばかり。ハーレムのようなシェアハウスで、一二三が恋に落ちるのは……?(Amazonより抜粋)出版社:幻冬舎コミックス (幻冬舎ルチル文庫)
発売日:2017年7月18日
ナツ之えだまめさんの作品です。イラストはサマミヤアカザさん。
ナツ之えだまめさん、初読みです。
主人公は、バリバリ日本人だというのに突然変異といいますか、一人だけ青い目で生まれてきてしまった大学院の苦学生・一二三。
持って生まれた青い目のせいで人と目を合わせて話すのが苦手なコミュ障になってるんですね。
このタイトルを読んで単純な私は、この人見知りな可愛い大学院生が、イケメン四人とグルグルしちゃう、いわゆるBLハーレムものだと思ったんですよ。
残念、全っ然違いますからっ!!(笑)
まず、せっかくイケメンが4人もいるというのに、読んだ人全員がかなり早い段階で気が付いて突っ込むと思います。
「一択じゃねーかっ!」
そしてとにかく盛りだくさん過ぎる内容。
BLって、B達がLしていく過程を楽しむものじゃないですか。
恋して傷ついてくっ付いて。
それがアラ不思議、1行分の行間が空いただけで恋人同士になっちゃってんですよ、皆さん!!スピーディーもいいとこですよ。
行間をいくら目を凝らして見つめても、飛ばしちゃった?と思われる文字は浮かんできません。
「えー、じゃあつまんないじゃん!」と思うでしょ?思うでしょ?
それがですねぇ、これでもかってくらいの甘々シチュ攻撃で誤魔化されちゃうんですよ。読者にズキュン♡させて文句を言わせない作戦でしょうか?
「……まぁくっついたはいいとして、お?BLの醍醐味、すれ違いキターーーーーー!!」と胸躍らせて読み進めると……これまた魔法の1行分の行間登場。
そしていきなり舞台転換。
「えーーーーー!ちょっと傷つきシチュをじっくり読ませてよっ!チリキュンさせてよっ!」と抗議しようとすると、ぐんぐんと話が進んでいって煙に巻かれたままあれあれよと再び急展開。
「なんか騙されてる、絶対誤魔化されてる」と心の中で感じながらも読み進めていくと、今度は感動させられちゃうんですよ。
「こんな手に誤魔化されるんじゃない!」と思いつつ感動して目尻に涙をためている自分が情けない……。「なんて安っい人間なんだっ!」と悔しがりながらも止まることなく読み進めさせられるんです。
「何よちょっと、エエ話やないの~」とまんまと騙されそうになったところで、問題の最後。
読んだ人は絶対全員ツッコむ。(断言します)
「誰やねんっ!!」
こんな終わり方ってある?と問いたい(笑)
ただし、この問いはメインの2人に対してではございませんのでご安心ください。
BL的には“ニコイチ”ですので。フラフラなんて絶対しません。第一フラフラしている余裕なんてありゃしませんよ、盛りだくさんな出来事待ってますから。
この本の魅力は、登場人物が皆温かい!(突然褒めてみる)
こんな紹介の仕方しといて言うのもなんですけど、じーんと胸が熱くなる中々良い話なんですよ。(いや、マジで)
まごころの指輪エピソードやら、シェアハウスが以前はどういう家だったのかとか、シェアハウスのイケメンたちのいい人っぷりとか、とにかく善意があふれ出ているBLなんです!!
まだこの本読んでいない方で、こんなクソみたいな感想を読んでくださって気になった方、是非読んでみて欲しい。
きっと優しい気持ちになれるはず。
そして最後、一緒に声をそろえて言いましょう。
せぇーのっ、「誰やねんっ!」(笑)