北へ

 

ただいま。釧路から稚内への旅から帰ってきました。

往復1,000キロ。一人車旅でした。

何しに稚内へ行ったかは、前話(I ❤️SAPPORO)を読んでくれた方はご存知だと思いますが、サッカーの応援です。高校サッカーインターハイ北海道大会が稚内市にて6/12から開催されるのです。次男の所属する札幌光星高校サッカー部からは27名の選手が稚内へ向かいました。平日、しかも札幌からも300キロ離れているので、応援に行ける父母も少なく、ハッシー一人で仕事できる状況だったので、私は行ってみることにしました。釧路からは450キロ。北へ。

 

 釧路川源流カヌーの仕事が入っていたので、まずは釧路から弟子屈へ。ナヌークの事務所にて1泊。朝、お客さんとハッシーをスタート地点に送り、車をゴール地点に置いてから、私はもう1台の車で出発。晴れてあったかい日。美幌峠を越え、北見を過ぎ、サロマ湖へ出る。この地点で道路標識には「稚内 280 km」と表示が。「ヒューッ(遠いなっ)!」オホーツクを右手に、沿岸の道路をひたすら北上する。湧別の道の駅にて休憩。すると、サッカー部っぽい男子の集団がいる。来ているウェアのメーカーが bonera で、札幌光星高校サッカー部の子と同じだ。あれっ?光星の子達はもう稚内入りしているのにな。更に近づき、胸のエンブレムをよく見ると「北陽高校」と書いてある。釧路の北陽高校サッカー部の子達だ。同じ釧路だし、北陽には泉の友達もいる。記念写真を撮っている男の子達をじっと見ていると、G君を見つけた。G君は、泉が摩周FCでサッカーを始めた時からの同級生、実家が近所でもある泉の親友だ。うれしくなって、話しかける。そして、もう一人、コンサドーレ釧路U-15で一緒だったY君もいた。「北陽はシードだね、すごいね。がんばって!」と声をかけて早々に立ち去る。私にしてみたら、小学校や中学校の頃の面影のある懐かしいG君、Y君だけれど、さすがに高校生で、みんなのいるところでおばさんに話しかけられても迷惑だよな~と思って。でも、偶然会えて、ちょっと興奮しました。

 紋別、興部、雄武と順調に進む。一人気ままなドライブなので、ちょこちょこ道の駅やセイコーマートで休憩しながら。道の駅では、韃靼そば満天きらり、干し蛸、シコロ(キハダ)はちみつなど、ご当地の特産品をお土産に購入する。枝幸のウスタイベ千畳岩で海を眺める。絶景。エゾカンゾウの黄色とハマナスのピンクが鮮やか。潮風に吹かれ、波音を聴いて、リフレッシュ。この辺のキャンプ場に泊まってもいいのだけれど、6月は日も長く、まだ元気だったのでもう少し先の浜頓別クッチャロ湖まで。湖畔のキャンプ場が今日の宿泊地。テント設営、夕ご飯、温泉、そして早めに就寝。今回はモンベル ムーンライト#2のテントを使用。設営簡単で、風にも強く、ソロのオートキャンプに向いている。歩いてすぐの「はまとんべつ温泉ウィング」のお湯はとろみのある良泉。キャンプ場、キャンピングカーやバイクの人が結構いたけれど、ほとんど一人か二人連れで全体的に静かだった。よく屈斜路湖や塘路湖の湖畔のキャンプ場に泊まっているので、湖畔のキャンプ場は落ち着く。

 

 

 稚内まで残すところあと100キロ。明日は、10時30分のキックオフに間に合うように出発の予定。 翌朝、エゾセンニュウの元気な鳴き声で眼が覚める。朝3時30分。夏至が近いのでもう明るくなってきているけど、まだ早いので4時30分頃まで寝袋の中でうとうとする。テント撤収してからの、朝ごはん。ご飯といっても、レトルトのカレーとかインスタントラーメンなど、一人なので簡単なもの。カセットコンロを積んできていて、風も吹いてたので、車の荷台で調理。湖を眺めながら、折り畳みの椅子に座って朝ごはん。風もそんなに強くなく日も差して、快適なキャンプの朝だ。そして、またオホーツクロードを北上。稚内市へは宗谷丘陵を横断する山道もあるけれど、せっかくなので宗谷岬まで行く。宗谷岬から樺太半島は見えなかったけれど、海の向こうの大陸に思いを馳せつつ、北の海に勝利を祈願。稚内市内に近づくにつれ、雨混じりとなる。稚内の道の駅に着いた時は、結構な雨が降っていて、雨の中の試合か~とちょっとげんなりする。でも雨具を着込んだら、もう大丈夫。傘も持っているし、応援グッズのTシャツも着たし、タオルも首に巻いて、メガホンも持ったし、ばっちり整えて会場へ。市内からはノシャップ岬を回った日本海側にある富士見球技場。ノシャップ岬を過ぎると、漁村という感じで風車が回る沿岸の風景となり、本当にあっているか不安になりながらも、ナビを信じて車を走らせる。そして、無事サッカーグランドに到着。光星高校サッカー部のバスを見つけてほっとする。雨はまだ降っている。試合まで1時間ほどあり、車中で待機していると、光星の保護者の皆さんも続々と到着。みんな夜中に札幌から車を走らせてきたり、JRで稚内まで来てレンタカーを借りていたり、仕事の合間をやりくりして遥々やってきた面々だ。グランドに移動する頃には、雨は幸い上がっていた。

 

 いよいよキックオフ。1試合目は開催地枠で出場の地元稚内高校と対戦。この試合は8-1と快勝。多くのナイスシュートが見られた。これでベスト16に進出。明日は、旭川実業との対戦。旭川実業は去年は全国区のプレミアリーグにいて、今年からは北海道のプリンスリーグ1部にいる強豪校だ。トーナメントの組み合わせが発表された時、2試合目に当たってしまって、あちゃーっという気持ちだった。でも勝てなくもない。明日勝つとベスト8、翌日の試合を勝てばベスト4。稚内では3日間の試合が予定されていて、残りの準決勝、決勝は、札幌にて来週開催される。今回、稚内へは宿泊場所が確保できなかったこともあり、サッカー部全員で来ることは叶わなかった。できたら、札幌の準決勝まで進み、そこでサッカー部全員と保護者の応援の中でプレーできることが望みだ。まずは1勝。

 

 とりあえず、録画した動画をハッシーに送るのが私のミッション。稚内市のフリーWiFiスポットを検索すると稚内公園が出てきたので、稚内公園へ。公園入り口から急に道は狭くなり、かなり急斜面を登る。ぐんぐん登って行くと、眼下に稚内の街並みと海が見えてくる。稚内公園を過ぎると更に道は細くなり、終点稚内森林公園キャンプ場があった。今日は友人宅に泊めてもらう予定だけれど、明日はここに泊まってもいいな。しかし、キャンプ場はWiFiが来ていなかったので、稚内公園にまた戻る。公園には、「氷雪の門」や「九人の乙女の碑」という樺太の歴史が刻まれた碑があり、時折観光バスも訪れる名所となっていた。試合の動画をアップロードしながら、公園を散策する。稚内公園からは日本海を望め、稚内港へ出入りする利尻・礼文へのフェリーが行き来しているのが見えた。高台から眺めているせいか、水平線が弧を描いているように見え、晴れていたら樺太や利尻富士もきれいに見えるんだろうな。しばらくして、無事アップロード完了、ハッシーにダウンロード用のアドレスを送り、役目が終わってほっとする。それから動画から今日のハイライトシーンを少しだけ切り取って、保護者のライングループに投稿した。現地に応援に来れなかった方に、お子様達の勇姿が伝わったらいいなと思って。試合中に得失点やゴールシーンをリアルタイムに送信してくれている方もいた。現地でも遠方でも、選手を思う気持ちは同じ、きっとみんなを後押ししているね。

 

 今日泊めてもらう友達の家は、稚内市街から20キロほど南下した上勇知というとこにあり、奥さんのKちゃんは「カヤニファーム」という養鶏場を、旦那さんのてるさんは「ゆうち自然学校」という自然学校をやっている。二人ともNPO法人ねおすの時の同僚だが、かれこれ20年ほど会っていない。再会が楽しみだ。とりあえず、夕方5時くらいまでは、稚内を観光することに。まずは、稚内公園から歩いて麓の北門神社へ、明日の勝利祈願へ。それから、定番の北防波堤ドームを見学。昭和初期に建てられた巨大コンクリートのインフラだけど、美が宿っている。かつては、樺太から引き上げてくる人々で賑わっていたそうだ。今は静まり返っているけれど、内部にかつての時間が内包されているようで歴史の重みが感じられた。近くに光星高校サッカー部のバスが停まってる。バスの横にある「WAKKANAI TRUNK HOTEL」がサッカー部の子達の宿泊場所だ。みんなどうしてるかな~と思いながら、近くを通り過ぎる。続いて、稚内副港にある温泉「港の湯」へ。副港は、市場や食堂も入った複合施設になっている。市場においしそうな稚内牛乳やヨーグルトなど売っていたので、帰りに手土産に買って行こう。もちろん蟹やホタテ、鮭とばなど海産物もいろいろ売っている。2階には「稚内市樺太記念館」が。間宮林蔵の探検、宮沢賢治も旅した樺太鉄道、大鵬が樺太から降り立った稚内の港など、知らないことがいっぱいあった。かつて稚内は北の要所だったということが伝わってきた。港の湯、ヤムワッカナイ温泉で疲れを癒し、明日の試合会場、若葉球技場を下見してからカヤニファームに向かう。

 カヤニファームはねおす当時は、N夫妻が「ファームレラ」として同じく養鶏を営んでいた地である。その頃に2度ほど訪ねたことがあったけれど、もうすっかり記憶が薄れていて、初めて訪れるような新鮮さであった。Kちゃんてるさんの二人は、ねおすで出会い、結婚したカップルで、まさか二人がファームレラを引き継いで養鶏するなんて思ってもみなかったけれど、そんな流れもふりかえれば必然だったのだな~と思う。二人とも雰囲気変わらず、すぐに昔の親密さが戻ってきた。二人のお子さん中学生のK君、小学生のS君の存在が、時の流れを感じさせる。ねおすの頃はみんないろいろ大変なこともあったし、光と影もあったけれど、それが今につながっているんだな~と思う。あの頃の経験や人のつながりは今も財産だ。当時のどちらかというとしんどい思い出ばかりが強く残っていたけれど、大体は穏やかな楽しい時間だったな~と記憶が上塗りされた。てるさんは、ゆうち自然学校として月に一度、今も親子DAYキャンプをしたり、夏や冬は宿泊型の自然体験教室をやっているとのこと。20年ずっと継続して続けているなんて、すごい。天職だな~と思う。てるさんは普段は「野遊びほいくえん 勇知保育所」の園長をしている。明日も朝は保育所に通う8名の園児がここにやってきて、午前中は野遊びをして過ごすそうだ。その晩は雨が降った。テント泊じゃなくてよかった。

 

 翌日、朝ごはんにおいしい「宗谷のしおかぜ卵」で作った目玉焼きとキッシュをご馳走になる。そして、平飼いの鶏舎も見学させてもらった。「コケッコーコー」と雄鶏が鳴いている。3ヶ月という雛は、もう結構大きく育ってヒヨコっぽさはないけれど、「ぴよぴよぴよぴよ」と鳴き声はヒヨコで可愛らしかった。鶏、意外と大きいな。1羽、群れから離れている雌鶏がいたのだが、この子は先日、庭先に放していて、夜もたいてい木に登って眠るので大丈夫かとそのままにしていたら、夜中にキツネがやってきて、咥えて行かれそうになったそうだ。鶏に叫び声に気づいたてるさんが急いで追いかけて、驚いたキツネは咥えていた鶏を放して逃げていったそう。家の中から飛び出して全力でダッシュしているてるさんが眼に浮かぶ。田舎ならではの牧歌的な出来事だ。でも、その雌鶏はトラウマになってしまったようで、それからじっとほとんど動かなくなってしまったそう。鳥頭っていうけど、鳥もいろいろ思い悩んだりしてるんだな。趣味で育てている訳でなく、生業にしている農家にとって、野生との共存は死活問題だ。でも、二人の暮らしは勇知の自然を愛し、無理なく自分らしく調和のとれた暮らしを追求しているようでとても素敵だった。

 

 

 

 試合会場へはちょっと遠回りして、ノシャップ岬を巡ってから向かう。ここでも北の海に勝利を祈願。住宅街の中にある若葉競技場にて、光星 対 旭川実業との試合開始。今日はゴールキーパーW君のお母さんも夜中に札幌を出て会場入り。前半開始。光星高校、すごく集中して攻守ともに隙がない。ほぼ相手陣地でプレー。何度も果敢なシュートを放つ。惜しくも決まらず。前半0-0で折り返す。光星優勢。この調子で後半も行けば、勝てるかも。是非ともまずは1点入れたい。そして後半。後半は、相手側が光星陣地にてプレーする時間が増える。セットプレーから相手が1点先取。その後、光星にビッグチャンスが来るも、2度ともバーに当たり弾かれる。ついに決定的チャンス到来、相手キーパーを挟まずのシュート。「入った!」と歓喜する応援団。が、しかし、得点ならず。「えっ!入ってないの?」「入ったように見えた!」入ったかに見えたけれど、枠を越えてゴール裏に落ちていたよう。残念すぎる。そして、そのまま試合終了。チャンスはたくさんあったけれど得点に結び付かず。一方旭川実業は、わずかなチャンスを確実にものにした。それこそ、勝負強さ、実力なのだろう。光星、何名か怪我人がいて万全の体制ではない中、本当によくがんばった。素晴らしい試合だった。ベスト8には進めず、この日のうちに札幌へ帰還。一方旭川実業は、翌日の北海との試合にも勝ち、札幌の準決勝へと進出。後日談になるが、翌週の準決勝、室蘭大谷との対戦にも勝ち、本日(6月19日)の決勝、札幌大谷に勝ち優勝を決めた。優勝した旭川実業と互角の戦いをした光星のみんな。私の中の勝手にランキングでは1位だよ。応援の終わった光星の保護者の皆さんとしばしば雑談しながら残念な思いを共有し、選手のバスを見送り、みな稚内を後にした。秋の高校サッカー選手権で、もう一度北海道の頂点を目指したい。夢は全国大会出場だ。

 

 明日の試合がなくなってしまったので、私も帰路に着く。帰りはオホーツク側ではなく、内陸を南下する。豊富町でKちゃんのおすすめのソフトクリーム屋さん、fermeに立ち寄る。豊富牛乳使用のワッフルコーンのソフトクリーム、350円なり。とてもおいしい。どこかで試合の動画をハッシーに送らなくてはならないので、「豊富町 フリーWiFi」と検索。近くの図書館で繫がるようなので行ってみる。確かに繋がったけれど、通信速度がかなり遅い。前半だけアップするのも30分ほどかかる。本を読みながら待つ。後半もなんとかアップロードすることができ、ハッシーに送信完了のメールをする。今日はどこか天塩川沿いのキャンプ場で泊まろうと思う。そんなに距離は移動しないので、ゆっくり進む。国道は天塩川に沿って走っており、天塩川は釧路川に比べるとかなり川幅が広い。遠く天塩岳から流れており、北から南に流れる釧路川と反対で、南から北へと流れ、日本海へと注ぎ込む。下流はサロベツ湿原となっている。天塩は、北大に入学して初めてのクマ研の新歓調査で来たのが天塩の北大演習林だった。問寒別の無人駅に1年生4人で降り立ち、先輩が車で迎えに来てくれて、牧草地の中を走って天塩の調査ベース(十六線小屋)に着いた。それが私の人生を変えたクマ研調査の初体験だ。あの頃は天塩演習林内の山ばかり歩いていたので、天塩川とかサロベツ湿原とかほとんど興味がなかった。でもあの頃行った天塩中川の「ポンピラ温泉」は今もある。当時はまだ古い温泉施設で、数年後に新しく建て替えられた。アンモナイトの大きな化石がごろごろとホールに飾ってあった記憶がある。天塩といえば、思い出す熊の話。かつて天塩で山火事があった。その時、火事を逃れて利尻島まで海を泳いで渡った熊がいた。利尻の浜に辿り着いた熊だったが、その場で殺されてしまう。明治45年、当時の写真に写る熊はとても立派だ。彼は(たぶん雄熊)は、何を思い利尻を目指したのか。50キロほど離れた島影を見失わず泳ぎ切った彼のカムイっぷりとその結末に胸が熱くなる。106年後の2018年、利尻島でヒグマが目撃される。あの時のキムンカムイが、利尻島に上陸したくてアイヌモシリに降りて来たのかな。利尻島は、どうでしたか?音に聞く「てしお」が、「手塩」じゃなくて「天塩」と書くと初めて目にした19歳の時、デジャブ感、おおげさに言うと天啓を受けた感じがした。熊とクマ研との出会えたことに運命を感じている。人と熊が共存できる道を、これからも模索していきたいと思う。人も熊も幸せに暮らせるように。雪が春先まで残る道北は、春グマ駆除期間に山奥までスノーモービルで入ることができ、雪に残った足跡を追って、多くのクマが駆除された。春グマ駆除は1980年に廃止されたものの、1990年代の道北は、まだクマの個体数は回復していなかった。だが、今年は全道的にも熊は多く目撃されている。稚内市でもこの日も数日前も市内でヒグマの目撃があった。てるさんは、近年道北では風力発電のための風車がどんどん建てられており、山では工事が頻繁に行われている。熊の居場所がないのではないか、と話していた。以前は道北にはほぼいなかった鹿も、道路沿いや街中に姿を多く見かけた。

 

 もう少し南には北大の中川演習林がある。ここにも林学の先輩の調査の手伝いで学生の時に訪れたことがある。ここ音威子府村は、彫刻家砂澤ビッキが創作活動を行った地として知られている。中川演習林の庁舎前にも、天塩川温泉の入り口にも、当時、ビッキの作品であるトーテムポールが建っていたが、今はもうない。木を素材とする作品は、月日とともに朽ちてしまう。ビッキは、作品は自然の力が加わってこそ完成する、いつかは自然に還ってゆくものだと考えていたそうである。だからこその美しさだろうか。あれらは、一度見たら忘れられない強烈な光を放っていた。本当は、天塩川温泉キャンプ場でテントを張ろうかと思っていたけれど、誰もいなくてちょっと寂しかったので、もう少し先の美深温泉横のキャンプ場を目指すことにした。天塩川温泉、後で聞いたらすごくいいお湯なのだそうで、温泉だけでも入っていけばよかったな~。でも、キャンプ場の芝生に2羽のウサギがぴょこぴょこしている姿を見ることができた。めんこい。

 

 美深温泉に隣接したキャンプ場「びふかアイランド」に到着。フリーサイトは芝生に車乗り入れてOKとのことで、車のすぐ隣に設営。温泉に入って、簡単な晩御飯を食べて、のんびりする。ほんとはセイコーマートがあったら、おにぎり買おうと思っていたのだけれど道北はお店とかコンビニがほとんど見当たらない。途中音威子府にセイコーマートがあったけれど、ホットシェフという出来立てのお惣菜の売ってるコーナーがなかったので買わなかったけれど、あそこで買うべきだった。ということで、今夜もカップラーメン。こんな時しか食べないので、ちょっとうれしくもあるが、続くと飽きてくる。今日はあったかく、外にいても寒くない。ここのキャンプ場もテントや車は割とたくさんあるけれど、みんなもう寝ているのか姿も見えず、静か。まだ7時30分だけどな。今日の試合の動画を見終わったハッシーから、「頑張った!惜しかった!👏😢」のメッセージが。あの惜しいシュートシーンは、残念ながら映ってなかったそう。「入った!」「えっ!入ってないの?」とか声だけでゴールの枠も映っていないらしい。そう、試合に夢中になっていると、ついビデオの画面を確認するのを忘れて、ボールを追いそびれてしまったり。あのゴールは本当に入ってなかったか、ビデオでちゃんと確認しようと思ってたのに、重ねて残念!思い出すとまだ悔しいけれど、切り替え切り替え。いいことも悪いことも同じだけある。だから、次はきっといいことがあるはず。

 

 翌日、この日は弟子屈町、ナヌークまで帰るだけなので、とりあえず気楽だ。朝は、美深に住む友人わかめちゃんが働いている酒屋「いけの商店」を訪ねた。旦那さんのR君からここに行けば会えるよと教えてもらっていたので、お店に行く。「こんにちは~」と声をかけるけど、誰も出てこない。しばらくお店に並んだお酒を物色。高知や佐賀の珍しいこだわりの日本酒が並んでいる。その中から美味しそうな1本を選んでレジへ。「こんにちは~」とさっきよりも大きな声で店の奥へ呼びかけると、「は~い」と元気にわかめちゃんが出てきてくれる。わかめちゃんは私が訪ねることを知らなかったみたいで、驚いて迎えてくれた。わかめちゃんR君夫妻は、私達が美留和の町営住宅に住んでいた頃、同じ長屋に暮らしていた。R君はハッシーのカヌーガイド仲間だ。釧路川で1年間「わっか」というガイド業者で一緒に働き、その後ハッシーは独立し釧路川でナヌークを始め、R君は数年間わっかでガイドした後、独立して天塩川で「CAMEL」というカヌーガイド業者を始めた。あの頃、わかめちゃんちは1人娘さんがいたけれど、今は4人のお子さんがいる。一番上の子は今年中学1年生、小学生が二人、一番下の子はまだ3歳くらい。すっかりお母さんの貫禄だ。わかめちゃんちの小学生の子達もサッカーやっているそう。しばし子ども達の話や弟子屈の共通の知人の話で盛り上がり、「今度は天塩川下りに来るね!」「また弟子屈にも遊びに来てね!」と握手してお別れする。元気そうでよかった。会えてよかった。次はいつ会えるかな。

 

 そして、美深を後にし、ここからオホーツクへと抜ける山道を行く。しばらく進むと、トロッコ列車が横を走っているのが見えた。トロッコ王国があるのだ。1台は一人で乗ってる男性、少し離れてもう1台は親子のような女性二人。楽しそうだ。このトロッコ列車、5キロほど線路が林間を通っている。結構長い。人気があると聞いたことがあるけど、意外に山の中にあるのだな。旧国鉄跡が利用されているとのこと。こんな風に観光用に有効に活用されるのはとてもいいと思った。子ども達、小さい時に連れてきてあげたかったな。そしてまた、山道は続く。車通りが少なく、だんだん眠くなる。車を停めるようなポイントがないので、橋の袂に車を寄せて休憩。昨日までは試合の応援という目的があって、気が張っていたけれど、もう目的を達成してしまったので、気持ちが緩んでやる気が出てこない。とりあえず次の目標は興部に行ってソフトクリームを食べようと決めて、再び出発。そして、また雄武でオホーツクの海に出て、海沿いに走り、興部の道の駅に到着。興部の道の駅のソフトは週替わりで、「おこっぺアイス」「ノースプレインファーム」「アドナイ チーズ工房」などのソフトクリームが食べられる。私が行った時は、「ノースプレインファーム」のソフトクリームだった。とても美味しい。本当に美味しい。しかも380円で、JAFカードを見せると100円割引してくれるのだ。さすが酪農王国 道北。ソフトクリームのレベルが高い。2ケ所しか行ってないけれど、どちらもおすすめです。アドナイのナチュラルチーズも購入(賞味期限間近でちょっと割引になってたやつ)。そして、駐車場の片隅でカセットコンロでお湯を沸かしてコーヒーを淹れる。とにかく眠いので、休憩しながらゆっくり進む。能取湖まで来たら、帰ってきたホーム感。網走だ、もう一息だ。がんばろう。そして、美幌に到着。スーパーで帰ってから食べる晩御飯と明日のカヌーツアーのお昼ご飯の買い出しなどする。美幌峠、ガスが出てて視界が悪い。でも、もうここまで来れば、大丈夫。ついに弟子屈へ。ナヌークにはハッシーがいて、一緒に屈斜路湖畔の露天風呂に入りにゆく。やっぱり温泉はいいな。ただいま屈斜路湖。

 

 翌日、釧路川源流のカヌーツアーをして、釧路の自宅に戻る。家に着いた時、車のトリップメーターは、1,000kmを超えていた。月曜日に釧路を出て、土曜日に戻った。娘に会うのは5日ぶりだ。久しぶりの稚内、今後もおそらく行く機会は稀だと思う。でも、北の地に暮らす友がいる。利尻山にも登ってみたい。いつか行けたらいいな。稚内、遠かった。でも、楽しかった。このブログも長くなりました。お付き合いありがとうございます。

 

 そして、高校サッカー選手権、秋の全道大会は函館です! 

函館に行けるように、そしてその先、全国に行けるように。光星のみんな、がんばれ~⭐️