里帰り

 

 

釧路で暮らし始めて2年目となりました。

普通の家(水道も電気も通ってる)に住んでいて、スーパーも近いし、ちょっとした自然も残ってる釧路は、住みやすくて楽しく暮らしています。

4月末からの連休、カヌーツアーも始まりました。

5月までのカヌーツアー は釧路湿原で主にやっていますが、たまに釧路川源流や屈斜路湖でのカヌーツアー もあります。

連休中は、源流と屈斜路湖のツアーのため3日ほど弟子屈町へ行きました。

仕事を兼ねて、久しぶりのふる里弟子屈への里帰りです。

私の生まれ故郷は愛知県なのですが、子ども達が生まれ育った地、心のふる里が弟子屈町です。

今回中2の娘は一緒に、長男は一人釧路に残るとのことで、親子3人旅です。

久しぶりに戻ると、やっぱり緑がいっぱいで空気がきれいです。

弟子屈町の市街を過ぎ、美留和橋近くの阿寒摩周国立公園の看板を過ぎると一気に緑が濃くなります。

釧路川にかかるみどり橋を渡るとすぐ我が家Nanookがあります。

橋の上から澄んだ水の流れる川へ、「ただいま」と声をかけます。

飛び跳ねるシカが迎えてくれたり、オオジシギも賑やかにさえずり、さっそく自然を満喫です。

 

釧路川源流のカヌーツアー は、5月はまだ水が冷たく沈するとつらいので、6月からスタートです。

今回は常連の中級者の方のため、イレギュラー的に源流ツアーをしました。

早春の川は相変わらず美しく、水音も心地よい。

アオサギやオジロワシが水先案内人の川旅となりました。

美留和橋まで、お客さんも「今日1日でぐっと上達しました!」と言ってくれて、カヌーへの意欲がすばらしい。

ツアー後はNanookの庭で焚き火を囲んで、キトピロ(ギョウジャニンニク)入りのうどんをお客さんと一緒に食べました。

こちらのご夫婦は、3年前にカヌーを初めて体験し、その後なんどもツアーに参加してくれて、ついにカヌーも購入、2年後には弟子屈への移住も考えているそうです。

こんな風に川を町を好きになってくれる人が増えるのは、とてもうれしい。

今年もツアーシーズンが始まったなあと感慨深く、焚き火の煙を吸い込みます(けほけほ)。

 

夕方は屈斜路湖畔の三香温泉へ。

ここは大露天風呂が自慢の温泉、青空の下広々とした湯船、なみなみの源泉、湯温が3段階に分かれており、ぬるめの湯船、冷めた湯船、熱めの湯船と順繰りに湯浴みし、ゆっくりのんびり入ります。

今日は他に入浴する人もなく、貸切です。

弟子屈にずっと暮らしていると毎日温泉なので有り難みをつい忘れがちですが、久しぶりに入ると本当にありがたいな〜と思います。

体も心も寛いで、大満足。

お風呂から上がったら、温泉宿の主三上さんとひとしきり談笑。

宿の庭にはエゾリスがやってきてひまわりの種を食べています。

おっぱいが膨らんでいてきっと赤ちゃんがいるのでしょう。

人目も気にせず必死に食べている様子、お母さんは逞しい。

 

Nanookに帰り、夕ご飯を食べたら、もう外は暗くて静かです。

少し本を読んだら、早めに布団に入ります。

この辺り携帯電話の電波が弱く、アンテナが1つ立ったり立たなかったりするため、電話をする時は家の前の道路まで出て話しています。

またWiFiは引いていない(光回線の圏外でもある)ので、スマホを見る時間もなくなります。

自然とデジタルデトックスのできる環境で、頭もスッキリ。

まだ午後8時だけど、寝ます。

娘は外で線香花火をしていました。

 

翌朝、清々しい空気の中目覚めます。

この家には水道を引いていないのでいつも水を汲んで持ってきているのですが、今回少ししか持って来なくてちょっと足りない。

ちなみはここに暮らしていた16年間ほど電気も引かずに暮らしていましたが、今は電気は引いています。

Nanookから歩いて、湧き水を汲みに行きます。

みどり橋の下流、右岸側をしばらく歩くと、岩の間から流れ出す湧き水があってペットボトル2本ほど汲みます。

すぐ横の川をカヌーが2艇、友人のガイドさんがお客さんを乗せて下って行きます。

歩いて汲みに行ける水場があるなんて、なんて素敵なんだろうとしみじみ感謝しながらの朝の散歩です。

Nanookまでの400mほどの道沿いには、コゴミが顔を出しています。

残念ながらゴミもちらほら落ちているので、拾いながら歩きました。

大型ゴミも落ちていたけれど、これは今度役場に連絡して回収に来てもらおうと思います。

 

この日は、和琴半島のカヌーツアー 。

カヌーを湖に浮かべると、穏やかな湖へ漕ぎだします。

少しすると風が吹いてきて、静かだった湖面に波が立ち始めました。

北風から南風に変わる予報だったけれど、ずっと北風でだんだん強くなってきました。

カヌーは風の影響を受けやすく、風向きによってはなかなか進みません。

結局和琴半島を1周することはできなくて、途中で引き返しました。

風に向かって漕いでは流されて、がんばって漕いで行きたい方へ進んで、思うようにいかないけれど、風を読み、波に乗り、自分でカヌーを操る楽しさいっぱいのカヌーツアー 。

満足してもらえたお客さんの様子に安心します。

できたら風が穏やかで半島を1周できたらよかったな〜と思ってしまうのは、私のないものねだり。

ハッシーはどんな状況でも受け入れ、その中でベストを尽くして、「今日が一番のカヌー日和」にしてしまうので、さすがはベテランカヌーガイド だと思います。

和琴半島のお土産物屋さん宮崎商店の名物いも団子も忘れずに食べます。

昨年の10月から冬季休業だったので、半年ぶりに食べたいも団子は、やっぱりおいしい。北海道一です!

今年は例年より桜の開花が早く、和琴半島から国道へ続く桜並木も桜の花が満開でした。

いつも5月20日頃に開花しているので、今年は2週間春が早いです。

この日は気温が20度ほどあり、年によってはゴールデンウィークに吹雪いてることもあるので、今年はお天気に恵まれた連休となりました。

(翌日は気温10度と寒かったけど。)

 

夕方、屈斜路湖へ流れ込む尾札部川へ。

この時期ワカサギが産卵のため遡上しています。

川を覗くとたくさんの魚影が見え、網ですくうと何匹も掬えます。

川岸にはコゴミがいい感じに出てきていて、少し採らせて頂きます。

コゴミはクサソテツというシダ植物で、ぜんまいやワラビと似ています。

茹でてマヨネーズつけて食べたり、ごまとお醤油のおひたしにしたり、とてもおいしく手軽にとって手軽に食べれる山菜です。

ウドがそろそろ顔を出し始め、イラクサやヨモギも摘めるいい季節です。

近くで食べられる物が手に入るなんて、贅沢だな〜と思います。

 

最後の日は川湯へ友人を訪ねて、娘共々おしゃべりして楽しい時間を過ごしました。

そんな感じで、ふる里弟子屈の春を楽しんだ3日間。

弟子屈から離れて暮らすのはさみしいけれど、釧路からそんなに離れていないので度々帰ることができます。

離れて改めて良さを実感できるし、釧路は釧路で子ども達は楽しく学校に通えているので、両方の環境に感謝しています。

子ども達が高校を卒業したら、私とハッシーはまた弟子屈に帰ろうと思っています。

子ども達は釧路を離れ、札幌や道外へと巣立って行くのですが、ふる里弟子屈は変わらずにあり続けていることでしょう。

Nanookの拠点もあるし、釧路川はずっと流れているし、あたたかい人々が暮らしていて、豊かな大地の上に生きる基盤が全て揃っている。

帰れる場所があるから、子供達には安心して羽ばたいていってほしいです。

コロナも収束し、たくさんの旅行者の賑わいが戻ってきた弟子屈町。

自然を大切に守り、暮す人も訪れる人も幸せいっぱいな町であり続けたらといいな。

 

私の生まれ育ったふる里愛知にも、次のお正月は3年ぶりに帰りたいです。