鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」 -31ページ目

鈴木正人の自伝「まぁいいっか!」

重度の身体障害がある鈴木正人(すすきまさひと)のブログ
1972年生まれ、三重県松阪市に暮らしています。
普段僕は車イスで生活をしています。
自分のこれまでの人生をまとめてみました。

僕が生まれて1歳になった頃から、鈴木家ではお伊勢参りに行くようになった。父と母と僕の3人で外宮と内宮をお参りするのだ。僕が生まれてから3人で出掛けることが少なかったので、母が「月に1回はお参りしよう」と提案したのが始まりだった。これは後に妹が生まれ、僕が二十歳になるまで毎月の恒例行事となった。

 

お参りに関してはあまり覚えていないけど、内宮に流れている五十鈴川がとても綺麗だったことが印象に残っている。川には沢山鯉が泳いでいて、参拝客がエサをあげるためとても人に慣れていた。母はいつもエサをあげていた。小さかった僕は「水に触りたい」と父にお願いした。すると父は僕を抱きかかえ手を川の中に入れてくれた。「冷たくて気持ちいいなぁ」と思っていると鯉が沢山寄ってきて僕は指を噛まれた。びっくりしたけど鯉には歯がないためあまり痛くないのだ。この年から鯉に指を噛まれることがお約束になった。

 

父と母にお参りの作法も教わった。鳥居をくぐる前は一礼すること、社の前では二礼二拍手をしてからお賽銭を入れ、手を合わせること。知らなかったことを沢山教わった。父に肩車してもらって参道を歩いたこともいい思い出だ。

 

そして一番楽しみにしていたことは、一家揃って外で食事をすることだ。普段あまり外食をしなかったけれど、この日は特別だった。印象に残っているのは内宮近くにあるラーメン屋だ。普段は乳製品を食べない父は何故かそのラーメン屋ではバター塩ラーメンを注文するのだ。いつも「美味い」と言って食べていた。これは僕にとって未だに謎のままだ。

 

そして、一家にとって特別なお店がある。それは志摩市にある「磯料理ヨット」。大将と女将さんと従業員の方が数名いるこじんまりした漁村のお店だ。ここは両親が結婚する前にデートでよく行っていたお店で、僕が生まれて伊勢参りが恒例となり一家でも通うようになった。僕らが行くといつも元気に「いらっしゃいませ!」と迎えてくれた。

 

店の前には大きな生け簀があり、魚やエビなど沢山の海産物がいて僕はそれを眺めるのが好きだった。席はいつも座敷を用意してくれた。当時はトンボ座りができたので壁側に座らせてもらった。

ヨットさんの料理は捕れたて新鮮の食材ばかりで何を食べても美味い。付け出しのモズクはいつも楽しみだった。そのなかでも僕が一番好きなものは「あっぱっぱ貝の磯焼き」だ。伊勢志摩の特産で、ホタテ貝よりも小ぶりだが味は絶品。僕はいつも注文していた。蠣は生でも焼きでも美味かった。

 

僕は今でもヘルパーさんとちょくちょく食べに行くのだが、ずっと変わらずに美味しい料理を出してくれる。現在、お店は僕と同じ歳の息子さんが後を継いでいる。後から女将さんから聞いた話だが、父と母はヨットさんが開店して3組目のお客さんだったのでとても印象に残っていたそうだ。父と母はいつも仲良くしていたらしい。父は母の事を心から好きだったんだろうなと女将さんの話を聞いて思った。

 

ブログ村に参加しております。

下のバナーをポチッとして頂けると

ランキングに反映されます。

ぜひよろしくお願いします^^

 

にほんブログ村 介護ブログ 身体障がい者へ
 

 にほんブログ村 シニア日記ブログ 自分史・自伝へ
 

 にほんブログ村 美術ブログ アウトサイダーアートへ