今回の話しは、僕らの間で「まんじゅう事件」と呼ばれネタになっている。中学部1年での出来事だ。
4限目の授業が終わり給食と掃除を済ませ、20分休みの時間だった。僕と親友のユキベーは5限目の言語訓練室に向かった。ユキベーは膝立ちで歩けたので、教室移動の際は時々僕の車イスを押してくれることがあった。その日はいつもより早めに着き、教室でのんびりしていた。そこで僕はあることに気が付いた。教卓の上に、なんと紅白まんじゅうが置いてあるではないか!しかも丁度2個!僕は言語訓練の授業で使うのかな?と思ったが、いやいや、そんな事は無い。きっと浜口先生が生徒に隠れて食べようとしていたのだと思った。僕はユキベーに伝えた。「まんじゅうが置いてある!食べたいなぁ!!」するとユキベーは「食べよっか!?」とノリノリで答えた。普段ユキベーは発語することは無く、文字盤を指さしてコミュニケーションを取るのだが、僕との間では顔の表情や頷きなどで会話ができた。僕の分かりにくい言葉もユキベーはちゃんと理解していた。
意見が一致した僕らは、紅白まんじゅうを頂くことにした。ユキベーは、まんじゅうを手に取り、おもむろにかぶりついた。「上手い!」声には出さないが表情はそう言っていた。「僕も食べたい!」と叫ぶと、ユキベーはまんじゅうを僕の口にあてがった。まんじゅうは僕の顔に押しつぶされる感じになったが、なんとかそれを食べることができた。「超うまい!!」僕は叫んだ。まんじゅう自体はごく普通のありふれた紅白まんじゅうだ。しかし、家で食べるよりも数倍美味しく感じられた。ふたりの秘密事という状況が、美味しさと相いまったように感じる。僕らは証拠が残らないよう、急いで一気に全部食べた。そして何事もなかったかのように先生が来るのを待っていた。
しばらくするとチャイムがなり先生が教室に入ってきた。すると浜口先生が「ん!?まんじゅうが無い!」と大きな声を出した。そして僕らの顔を見るなり「犯人はお前らやな!!」とさらに声を上げた。顔を見合わせると、僕らの口の周りはアンコまみれだった。さらに床にも大量のまんじゅうのカスが落ちていた。十分すぎる証拠が揃っていた。僕らは日頃からちょくちょく悪さをしていたので、言い訳する余地もなく、笑ってごまかそうとした。先生は「またお前らかぁ。。」と呆れた様子で笑っていた。
これが「まんじゅう事件」の全容である。
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