「………それは人間の本質的な問題として難しいことだと思います。仏教の世界には“四苦八苦”という言葉があります。仏陀は“人間は苦しみから逃れられない存在であり、”欲と執着“が苦しみの源である”と説いています。ここでいう“四苦”とは(生:生まれることの苦しみ)(老:老いることの苦しみ)(病:病むことの苦しみ)(死:死ぬことの苦しみ)のことです。人間は生れながらにして、本質的にこの4つの苦しみを背負わされています。さらにそれに加えて(愛別離苦:あいべつりく:愛する人と離れることの苦しみ)(怨憎会苦:おんぞうえく:嫌な人と会う苦しみ)(求不得苦:ぐふとくく:求めるものが思うように得られない苦しみ)(五蘊盛苦:ごうんじょうく:人間の肉体や精神が思い通りにならない苦しみ)これら4つの苦しみを加えて、合計8つの苦痛を抱えています。仏教とは、そもそもこれら四苦八苦の苦しみから解放される方法を説くものです」

「………」

「そしてその具体的な方法として、仏陀は“四諦(したい)”という真理を説いて、苦しみが生み出されるメカニズムを解説して、“八生道(はっしょうどう)で、苦しみを克服して、悟りへ至る生き方を教えています。四諦と八正道について興味のある方はネットで検索すれば、すぐに見つかるでしょう。つまり、人間とはそもそも欲望や執着を抱えて生きている生き物です。ですからあなたが多くの人の本音を感じた時に、そのネガティブな思いの大きさに驚いたとしても、それはその人が特に汚い人間なのではなくてある意味当たり前のことなのです」

「………」

彼女は私の回答を頷きながら聞いています。

「逆に言えば、欲望や執着を完全に超越した“解脱の域”まで到達した人間は、キリストとか仏陀とか、歴史に名を残したごく少数の人しかいません。私はそれほど大きな欲もありませんし、強く執着しているものもありません。しかし、解脱の域に達するには、まだ、何十回も生まれ変わって修行を続けなければ不可能だと思っています」

「………シュンさんの話はよく分かりました。それでは、外に出るたびに周囲の人に吐き気や不快感を感じてしまう私は、どのように人と接すればよいのでしょうか」

彼女はそう言うとすがるように私を見つめました。

「私の経験から言うと、本当に敏感な時期は、霊の問題のない相手でも、かなり強烈に人の本音を感じてしまうため、外に出ることができなくなります。それは不浄霊から受ける霊障とは全く別の問題です。ただ、そう言う辛い時期を過ごしながらも、自分自身に少しずつ耐性は付いて行きます。そして人の思いも人に憑いた不浄霊も体が接触すると、そこから入り込むことはありますので、外出時にはできるだけ長袖のシャツを着て、肌が直接誰かと触れないように気を付けてください。特に霊的なものは左手から入って右手から出ていきますので、自分の左手は誰かに振れないように注意してください。あとは目があった瞬間に目から入ることもあります。ですからなるべく人と目を合わせないようにしてください。私は外を歩くときはほとんど景色を見たり下を向いていて人の顔は見ません。誰かと話すときも、少しずつ相手を観察しながら、“大丈夫”と感じてから目を合わせるようにしています。耐性ができるまでの間は、それくらいに慎重に過ごしていかないと、吐き気や不快感に突然、襲われる体験は繰り返されると思います」

 私も同じ体験をした“経験者”として、何か有効な対応策があれば教えてあげたいのです。しかし、霊や念など霊的な問題には、残念ながら“特効薬”と言えるような処方はないのです。

 

 

【2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。

 

霊界が教えてくれるこの世で幸福になる方法


■書名

霊界が教えてくれる

この世で幸福になる方法

■著者:霊能者SHUN(シュン)

■四六判248頁

■定価1650円(本体1500円+税10%)

■ISBN978-4-341-08818-7

■発売 株式会社ごま書房新社

 

 目次

序章:地球の誕生と人類の出現

第一章:霊界の存在とその仕組み

第二章:人の縁の不思議

第三章:心霊スポットが危険な理由

第四章:霊障は理不尽なもの

第五章:先祖と私たち

第六章:この世の上手な過ごし方

 

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