最近、死霊よりも生霊の影響を受けて私に相談する人の数が増えた気がします。先日、私に相談した方は、寝室でご主人がとなりのベッドで寝ていたところ、深夜に突然“歌を歌い出した”というのです。実際には歌の旋律のように抑揚をつけて、長い言葉を発していたのです。その言葉は、「う~、う~」という“うなり声”と共に「〇×△〇×~」というように、言葉にならない不明瞭な言葉を大声でしゃべっていたのです。奥さんは隣のベッドで気持ちよく寝ていたので、最初は布団を出るのが嫌で、知らん顔をしていました。しかし、いつまでもうなり続けているので心配になって、背中を叩いでご主人を起こしました。ご主人はすぐに目を覚ましました。ただ尋ねたところ、金縛りに遭ったわけでも、悪夢を見ていたわけでもありません。本人は何も気づかずにただ、眠っていたというのです。でも、ご主人の額には脂汗がじっとりと滲んでいました。それから同じことが1週間に4~5回も続くようになりました。ご主人は心療内科と睡眠外来の診察を受けました。しかし原因は不明でした。そのため私に相談してきたのです。
私はご主人が霊的なものの影響を受けていることはすぐに分かりました。それも死霊ではなく生霊の影響です。以前にもお伝えしましたが、生霊が出るためには、矛盾した2つの条件が必要です。まず1つは誰かに対して強いネガティブな感情(=恨みや憎しみ・嫉妬など)を持っていること。そして2つ目は脳の波長がα波であること。この2つの条件が満たされたときに生霊は自分から抜け出して、ネガティブな思いを持つ相手へ飛んでいくのです。
α波は周波数8~13Hzの範囲にある脳波です。「リラックスして覚醒している状態」で出現します。具体的には、目を閉じて静かにしているとき。軽く瞑想しているとき。音楽をぼんやり聴いているとき。深呼吸や軽い休憩中に出現します。この良い精神状態と誰かを強く恨むような悪い精神状態とは完全に矛盾しています。ですから、もしあなたが誰かを恨んだり憎んだりすればするほど、生霊は出にくくなります。この2つの条件を意図的に満たせる人は、意図的に脳の波長をα波にする訓練をした人に限られます。
たとえば、“座禅”と言うと、痛くて辛くて何か“罰ゲーム”のようにイメージがします。ただ、座禅は慣れてくると心が安定してとても穏やかな気持ちになれます。ですから有料の座禅会でもお金を払って参加する人がいます。座禅がただ、痛くて苦しいものなら、お金を支払ってまで参加する人はいないでしょう。このように長年、座禅とか瞑想とか、内観などを行っている人は、意図的に気持ちの良い状態=α波が出現する状態になることができます。そういう人であれば、意図的に誰かへ向けて生霊を飛ばすことは可能です。ですから、そうではない多くの人は、無意識のうちに生霊を飛ばしています。
たとえば10年前のトラブルから憎んでいた相手のことを、ふとしたきっかけで思い出しました。その日の夜、お風呂で湯船につかりながら「そう言えば昔、アイツにはひどい目に遭わされたなあ…」と考えた瞬間に、生霊はその人へ向けて飛び出して行きます。このように生霊は出している本人にもその自覚が無い中で、飛んでいくことがほとんどなのです。そして10年ぶりにひどい相手のことを思い出したことで、またこの人はときどきその相手のことを考えるでしょう。それも睡眠に入る前や起きたばかりのリラックスしている時間に思い出したりすると、また生霊はその人へ向けて飛んでいきます。
つまり、生霊は一度飛んでくると、その後、不定期に何度も飛んでくることが多いのです。死霊は一度祓えば、しばらくは向かってきません。もっと言えば、浄霊によって不浄霊をあの世まで上げてしまえば、二度と戻ってくることはありません。それで問題は解決できます。しかし、生霊は恨まれたことが、もし誤解であったとしても、相手の一方的な思いによって何度でも飛んできます。ですからその対応が厄介なのです。(2)へ続く。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売(商業出版)になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方


