この仕事を長くやっていると、“人の死”に向かい合うことが多くあります。たとえば私に「病気快癒の祈祷」を依頼される人がいます。お金を払ってまでこの祈祷を依頼する人に、軽傷の人はほとんどいません。今までには「ガン細胞が大きく広がってもはや切除できない人」「乳がんのステージ4でB型肝炎にも罹患している人」「40度の高熱が何日間も続き、原因不明で解熱剤も効果が出ない人」こういった命の危険にさらされている人が私を頼ってきます。私も依頼を受ければ、病院へも駆けつけますし、全力で病気快癒を祈願を行います。その結果、医師も首をかしげるような”奇跡的な回復“を遂げた人は何人もいます。残念ながら助けられなかった人も何人もいます。この時に医師から”余命を宣告された人“も何人もいましたが、余命から10年経っても元気で生きている人もいれば、余命通りに亡くなってしまった人もいます。私の印象として医師の「余命判断」はいつも”大きくずれる“のです。
そもそも余命とは“統計的な中央値”に基づいた予測であって、”確定値“ではないのです。個々の患者の状態や治療効果の反応には大きなばらつきがあります。医師が自らの経験や予測ツールから判断する「余命1年」とは、「同じ病気・同じ進行度の患者100人のうち、50人が1年以内に亡くなり、50人は1年以上生きる」という生存期間中央値を指しています。つまり、半数は予測より長く生きるのが前提ですから、外れるのは当然と言えるのです。
この予測は個人差が非常に大きいのです。患者さんの“年齢・体力・免疫力・合併症の有無・生活習慣・治療への反応など”患者ごとの条件が千差万別です。さらに同じステージのがんでも、進行速度や治療効果に大きな差が出ることがあります。また、“予測ツールや統計”には限界があります。
医師は「カプランマイヤー曲線」などの統計データや予後予測ツールを使いますが、過去の集団データに基づくため、個人の未来に完全には当てはまりません。「カプランマイヤー曲線(Kaplan-Meier曲線)」は、生存時間解析に用いられる統計グラフで、あるイベント(例:死亡、再発)が起こるまでの時間とその確率を視覚的に表します。特に医療分野では余命や治療効果の評価に使われます。「カプランマイヤー曲線」の基本構造は、横軸(X軸)に時間(日数・月数・年数)、縦軸(Y軸)に生存率の割合を表示しています。そしてイベント(死亡・再発)が起こるたびに、階段状の曲線を下げていきます。こうすることによって、時間と共にどれだけの人が生存しているのかが、視覚的に分かります。これらの数値の“中央値”が、生存率50%になります。このグラフは、「新薬」対「従来薬」の治療効果を比較するときに、それぞれのグループの差が“有意”であるかどうかを評価する際に使われます。同じように、複数の治療群の生存率を比較する際にも使われます。
ただ、このようなツールを用いても、患者の余命について、医師がズバリと予測することはできません。また、医師は「患者に希望を持たせたり」、「ショックを和らげたい」という思いから、余命をあえて控えめに伝えたり、患者や家族の受け止め方を考慮して、段階的に伝えていくこともあります。ですから医師から告げられた余命は、“死ぬ時期の予言”ではなく、治療や生活設計の参考にするための指標と考えてください。ポイントは、希望と現実のバランスを考えながら、「今をどう生きていくのか」そこに焦点を当てていくことが大切なのです。(2)へ続く。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売(商業出版)になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方


