人間の脳が物事を認知するときに、無意識のうちにバイアス(偏り・先入観)がかかってしまうことがあります。私に霊の問題で相談される方は、わざわざお金を支払ってまで質問してくる方々ですから、”心霊現象“だという確証はなくても、薄々は「霊の問題ではないか」と疑問お持ちの方が多いのです。そして私が観た時に、その約8割は本当に霊の問題(生霊・死霊・霊障など)が絡んでいます。ただし、約2割はまったく霊に関わりのない原因にも関わらず、自分で心霊現象だと思い込んでいるケースもあります。その理由の中に「パレイドリア現象」と「アポフェニア現象」という脳の”認知バイアス“の問題があります。この2つの現象は心霊現象としばしば勘違いされます。
新しい情報を処理する際に、脳はその負荷を減らすために「既知のパターン」に当てはめようとします。その結果、実際には存在しないものを「ある」と認識してしまいます。つまり、「パレイドリア現象」は脳の効率化処理がもたらした現象です。曖昧な視覚や聴覚の刺激に対して、脳が既知のパターン(特に顔や声)を勝手に認識してしまう心理現象です。具体的には「雲の形が、動物や人の顔に見える」とか「木の節や壁のシミが、顔や目に見える」とか「コンセントや車のライトが、表情のある顔に見える」とか「雑音や音楽の逆再生が、隠されたメッセージや声に聞こえる」ということです。他にも「暗闇の中で人影が見えたように思っても、実は衣類や家具の形が顔に見えただけ」ということがあります。「窓に顔が浮かんで驚いたところ、よく見ると 光と影の偶然の配置による錯覚である」こともあります。皆さんもこのような経験はあると思います。これは、人類は危険を察知するために、曖昧な形の中から「顔」や「敵」を見つける能力を発達させました。これが現代でも残っていて、模様や音に意味を見出す傾向があるのです。
似たような心理現象に「シミュラクラ現象(Simulacra effect)」があります。これは三つの点や形が「顔」に見えてしまう心理現象のことです。人間の脳が顔を認識しやすいように進化していることに起因しています。「シュミラクラ現象」では、目に見える三つの点(上に2つ、下に1つ)という最小限の情報によって脳は、それを「顔」として認識します。それは人間の進化の過程で、他者の感情や意図を素早く察知するため、顔認識能力が非常に敏感に発達しました。そのため、曖昧な形でも「顔」に見えてしまうのです。
これらのことからも分かるように「パレイドリア現象」によって、心霊体験が作り上げられてしまうことがあります。ただ、本当の心霊現象なのか、脳の認知バイアスが作り上げた錯覚なのは、そこに(その空間に)核心となる存在(エネルギー=魂)が存在しているのかどうか、それを感じ取ることによって簡単に(はっきりと)判断できます。脳の認知バイアスが作り上げた錯覚には、そこには何もエネルギー体(魂)は存在していないからです。目を閉じればそれは見えなくなりますが、もしそこに霊がいるなら目を閉じても、まったく消えることはないのです。(2)へ続く。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売(商業出版)になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方


