気が付けば彼女はキャバクラで毎月、100万円近くも稼いでいながら、ホストクラブに1000万円を超える借金を作ってしまいました。するとそれまではお店にツケをためても笑顔で接していたホストの態度がガラリと変わっていきました。彼女は借金の返済を強く求められて、毎月50万円ずつ返していくことを提案しました。それは彼女の収入からすれば十分に可能なことでした。しかし、お気に入りのホストは「お店のツケは自分がお店にから借りているようになっているから、すぐに返してもらわないと、自分がお店から責められる」と主張しました。そして、今よりももっと稼げる店があるから、キャバクラをやめてその店へ行くように彼女に強要したのです。それはお客に体を売る「風俗店」でした。その店で働けば、1年以内に借金は返済できると言われて、半ば強引にその店で働かされたのです。しかもその店の給料はホストクラブの借金のカタに取り上げられて、風俗店から直接ホストクラブへ渡されました。彼女にはどれだけ客の相手をしても、毎月30万円が渡されるのみでした。そして身も心もボロボロのなりながら毎日客を取らされましたが、2年が経過してもまだホストクラブの借金は返済されていないと言われました。このころには彼女はもう完全に生きる希望を失って毎日死ぬことばかりを考えながら客の相手をしていました。そんなときに知り合いから私の話を聞いて、藁にも縋る気持ちで連絡してきたのです。
私はまず、彼女の話を聞いて「ホストクラブでの借金を理由に風俗店で働らかされることは、債務を利用した労働強要や人身取引に該当する不法行為であること」を話しました。日本の法律では、借金を理由に性的サービスを強要することは刑法・労働法・人身取引防止法などに抵触する違法行為なのです。ただ、彼女がそれを相手に主張しても、素直に話を聞き入れる相手ではありません。ですからまずは「法テラス」や「女性支援団体」「警察の人身取引相談窓口」に相談して、専門家や警察官に中に入ってもらうことを勧めました。違法行為を行ってお金を稼いでいる彼らからすれば、警察や専門家が出てくること嫌がります。ここで無理にごねて彼女を拘束しようとすれば、自分たちの手が後ろに回ることになるからです。
そしてそもそもホストクラブにできた借金についても、それが「契約」に基づくものなのか、違法な「売掛」なのかを確認する必要があります。違法な売掛であれば、その借金自体が法的に無効になるからです。さらにもし、契約上の借金があっても、労働の選択は本人の自由ですから、返済のために風俗店で働くことは、堂々と拒否してよいのです。もし、彼らが脅しをかけてくるようなら警察に通報してストップをかけることができます。さらに身の危険を感じたときは、暴力や搾取から逃れる人を守る「民間のシェルター」もありますから、そこに身を隠すこともできます。私はまずは今の泥沼のような生活から彼女を救い出すためには、怪しい夜の世界の人間たちと今すぐに手を切らなければならないと考えました。そのための手段はいかようにもあります。彼らが何と主張しても、風俗店で2年間も働いた彼女には、さらに支払わなければならない債務など、あるわけがないのです。
私はこの件を解決してつくづく思いました。心の闇を抱えて生きていることは決して特別なことではなくて、誰にでもある“人間らしい部分”でもあります。ただし深い心の闇はその人の人生を大きくゆがめてしまします。この女性ももしお母さんがもう少し、彼女を認めてあげて本人の生きたいように生きてあげることが出来たのなら、彼女の人生をここまで追い込むことも無かったでしょう。母親として良かれと思ってやったことでも、本人を縛り付けて管理を強制すれば、だれでも息苦しくなって最後は爆発してしまいます。それで良い親子関係が出来るわけがないのです。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売(商業出版)になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方


