先日、たまたまテレビで時代劇を見ていた時に、死体役の俳優さんが、額に三角形の布を付けていました。時代劇ではこの三角形の白い布を額に付けた死体がしばしば出てきます。私もそれが死の装束の1つだということは知っていましたが、正確な意味は分かりませんでした。この三角形白い布は時代劇以外の実際の葬儀でも、仏教系の宗派(浄土宗・曹洞宗など)によっては死体の額に付けます。死に装束にはそれぞれきちんとした意味があります。そこで今回は、この額につける布や死に装束の意味を調べてみました。
そもそも「死に装束」とは、死後の旅立ちのための衣装になります。仏教的な考えでは、故人は死後に、極楽浄土へ向かうとされています。ですからその旅支度として、死に装束が用意されています。まず、仏式の葬式では死体に白い着物を着せます。白は”穢れのない色“とされ、清浄の象徴です。ですから故人が清らかな姿であの世へ旅立てるように、白い着物を着せて送り出します。そして着物は左前に着付けます。生きている人間の着物は右前で着付けます。それをあえて左前にすることで、死者がこの世を離れた存在であることを示して、生者と死者を区別します。
そして死者が着る白い着物ですがそれは「経帷子(きょうかたびら)」と呼ばれています。帷子とは元々は夏用の単衣(ひとえ)の着物のことです。薄手で麻や木綿で仕立てられます。そしてそこには経文が書かれている場合もあります。死者が経帷子を着るのは、死者が仏教の教えに包まれて旅立てるようにという願いが込められています。そして額につける三角形の布ですが、その名称は地域のよって異なります。「頭巾(ずきん)」とか、「額烏帽子(ひたいえぼし)」「髪隠し(かみかくし)」「紙冠(しはん)」「額紙(ひたいがみ)」「身隠し(みかくし)」などと呼ばれていますが、正式名称は「天冠(てんかん)」と言います。天冠の意味は、死者があの世へ行って、閻魔大王の審判を受ける時に、“失礼のないように正装する”という意味です。昔の人は正装するときには冠を付けていました。特に位の高い人は必ず冠を付けていました。その冠の代わりとして白い三角形の布を額に付けるのです。私が気になっていた白い三角形の布は、あの世へ行って閻魔大王と会う時に“失礼のないように正装する”という意味があったのです。
あとは三途の川の渡し賃として六文銭を棺に入れます。ただし今は本物の硬貨は金属のため、火葬時に燃え残ってしまいます。そのため紙製や木製の代用品が使われています。さらに草鞋(わらじ)・杖・手甲(てこう・てっこう)・脚絆(きゃはん:脛を保護するために巻き付ける布や革製の装具)が旅支度の象徴として添えられることもあります。このように死に装束とは、生きている人が、故人が仏教の教えにしたがってスムーズにあの世へ上がれることを願って身に付けさせていたものなのです。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売(商業出版)になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方


