私に以前、相談した50代の男性はもう10年以上も原因不明の体調不良と怪現象に悩まされています。具体的には「頭痛・ひどい肩こり・こめかみや背中の刺すような痛み・体の重さ・倦怠感・吐き気・胃の不快感・体温の変化・湿疹・肌荒れ・むくみ・顔つきの変化・眩暈」など、その影響はほぼ全身に出ています。また、精神的には「突然湧き上がる怒り・悲しみ・疑念・恐怖、特定の人間への強い執着・攻撃的、衝動的な行動」など、普段の自分ではあり得ない感情に支配されます。また、環境的には、「部屋の空気を重たく感じたり、誰かの視線や支配」などを常に感じています。そして、家の中ではしばしば、電灯が点滅したり消えたりします。家電製品が誤作動して、誰もいない部屋のテレビが突然点いたり、消えたりします。さらにもっとも不快なのが、家の中に漂う“臭い”です。それは“すえたような体臭とドブ川の臭さ”が混じったもので、何とも特徴のある臭いです。そしてこの独特の臭いを相談者はよく覚えていたのです。それは今から40年以上も前に、クラスでみんなにいじめられていたクラスメイトの臭いに他ならなかったのです。
そのA君は町のドブ川の横にある粗末な“掘っ立て小屋”に住んでいました。兄弟はなく両親がいましたが、しばしば育児放棄してどこかへいなくなります。父親は手持ちのお金があればすべてを酒代にして、家やその周辺でウロウロしている町の“鼻つまみ者”です。母親はお金が無くなれば、町の男と肉体関係を持って、小金を稼いでいます。そんなA君ですから、小学生のころから服装は1年中ほぼ同じものを着ています。それも洗濯やアイロンはかかっていませんから、いつも薄汚れて臭っています。親がお金を渡しませんから、給食費や行事の参加費はいつも滞納していて、先生に怒られています。理科や算数で使う教材も買えませんから、毎回、隣の席の人に借りています。隣の児童はもちろん嫌がりますが、先生に言われて仕方なく貸しています。そんな小学生が中学生になれば、周囲からいじめにあうのは当たり前です。
中学に入るとクラスの男子の中には、トイレへ連れて行って、便器の水を飲ませたり、小便を顔にかけたり、虫を捕まえて口に入れたり、ひどいいじめをしていました。女子生徒も言葉には出さなくても、心の中ではA君を不快に思い嫌がっていました。ですから目の前でいじめに遭っていても、誰一人それを止める人はいませんでした。それは相談者も同じで、自ら積極的に手を出すことは無くても、いじめられて苦しんでいるA君を見て、いつも笑っていたのです。それは教師も同じでした。教師もA君には教材の忘れものや借り物で、授業がスムーズに進まず、腹を立てていました。そして不潔で汚いA君を蔑んでいました。ですからいじめの現場を目撃しても笑いながら「やめなさい」と2~3回いうだけで、厳しく注意したり指導することはありませんでした。先生がいじめを容認しているのですから、いじめがなくなるわけがありません。そんなA君がそれでも学校に毎日、通ってきたのは、ただ一つ“給食が食べられるから”です。A君は家に帰ってもまともの食事は食べられません。ですから学校の給食を食べるために、どれだけひどいいじめに遭っても学校へは通ってきたのです。
そんなA君にも、やがて中学を卒業する時期が来ます。ただ、A君はもちろん高校へは進学できません。成績はオール1で高校の授業料も払えませんから、進学できるわけがないのです。そしてクラスのみんなも中学を卒業してそれぞれが高校へ進むと、もう誰もA君のことを気にする人もいなくなりました。やがてドブ川の横の“掘っ立て小屋”は取り壊されました。おそらく土地もA君のお父さんが購入したのではなく、ホームレスが川原にブルーシートを敷いて住みつくように、不法に占拠されていたものなのでしょう。相談者が聞いた噂では、A君のお父さんはA君が中学を卒業するころには、お酒の飲み過ぎで体を壊して亡くなっています。そしてお母さんはお父さんが亡くなった頃、A君を捨ててどこかへいなくなってしまいました。取り残されたA君は面倒を見てくれる親戚も無く、役所によって福祉施設へ入れられて、そこで成人したのです。(2)へ続く。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方