「クマトーン」はかつては胎児の遺灰やお墓の土を使って作られていましたが、今は合法的な素材で作られていて、幸運をもたらすお守りと信じられています。その起源はタイの民間信仰に基づいていて、赤ん坊をもたらす人形と考えられています。タイの呪物としてはポピュラーなもので、国内のお土産物店でも販売されています。一方で「ルーククローク」は、「胎児の霊」或いは「死産した子供の霊」を意味しています。タイの黒魔術(サイアム・オカルト)に由来していて、以前は呪術師が霊的な“使い魔”として用いていました。この人形の不気味さは、その素材にあります。興味のある方は、ネットで「ルーククローク」で検索してみてください。ミイラ化した死産児や水子の遺体が出てきますから、驚かされると思います。これらの遺灰に墓場の土、ハーブ、金粉などを混ぜて成型していきます。以前はその力を強めるために、“妊婦の腹を裂いて胎児を取り出して、燻して加工していた”とする記録も残されています。この人形も諸願成就や商売繁盛、恋愛成就など、まっとうな願いをかなえるために遣われることもあります。それは死産児や胎児という命をまっとうできなかった霊が“死後に人のために働くことで徳を積む”という考えによるものです。ただし、この不気味な姿からして、多くの場合は敵を精神的に狂わせたり、呪詛のために、呪術師によって使われます。現在ではタイの国内で、“模造品”なども出回っていますが、扱い方を誤ると、祟りや精神障害を招くと言われていますから、関わりは持たない方が無難だと思います。考えてみれば日本でも、単に”水子供養”にとどまらずに、生まれる前の命に霊的・宗教的な意味を見出す“胎児信仰”は行われていました。胎児の魂は、まだ社会的に人として認識されていません。その“未完の存在”に、無限の可能性を託して信仰の対象にしていたのです。

 江戸時代以前は、共同体としての地域社会の中で、“間引きや死産”は自然なこととして受け入れられていました。間引きとは密集しているものの一部を意図的に減らすことで、江戸時代以前の農村社会では、食糧難や貧困の中で、妊娠中に流産を誘発したり、生まれた子供の命をすぐに絶って、”口減らし“を行っていました。それは家計や労働力のバランスを保つため、村の掟や習慣として強制的に行われていました。そして、”間引きされた子は祟る“とされたことが、水子供養や地蔵信仰を発展させた側面もあります。タイの「クマトーン」や「ルーククローク」に、胎児の遺灰や胎児のミイラが使われていたのには、未完の生命である胎児には、人智を越えた大きな力があると考えられていたからです。

 ヨーロッパでも呪術人形は、魔女信仰や宗教的儀式の中で多様な形で発展してきました。ヨーロッパの呪術人形はアジアやアフリカとは違って、対象者へ悪影響を与えるための“象徴的なもの”として使われていました。たとえばヨーロッパの代表的な呪術人形である「ヴードゥー人形(Voodoo Doll)は、「ヴードゥ―教」に由来して、ヨーロッパの魔女術と融合して広がりました。その特徴は対象者の髪の毛や爪を人形に埋め込んで、人形に針を刺すことで痛みや不運を与えるというものです。古代ローマから中世ヨーロッパでは、呪術人形に蝋人形がよく使われました。それは蠟で作った人形に名前や特徴を刻み込みます。それを火で溶かすことで、対象者の死を願う呪術を行っていたからです。

 

 

2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。

 

霊界が教えてくれるこの世で幸福になる方法

■書名

霊界が教えてくれる

この世で幸福になる方法

■著者:霊能者SHUN(シュン)

■四六判248頁

■定価1650円(本体1500円+税10%)

■ISBN978-4-341-08818-7

■発売 株式会社ごま書房新社

 

 目次

序章:地球の誕生と人類の出現

第一章:霊界の存在とその仕組み

第二章:人の縁の不思議

第三章:心霊スポットが危険な理由

第四章:霊障は理不尽なもの

第五章:先祖と私たち

第六章:この世の上手な過ごし方

 

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