世界各地には、幸運を呼び込んだり、人を不幸に陥れるための“呪物人形”がさまざまにあります。別の言い方をすれば、呪詛のために遣われる人形もあれば、呪詛返しや一族を守るために遣われる人形もあります。人形は生き物ではなくただの“物”ですが、髪の毛が伸びたり、涙を流したり、動きだしたりするのは、物の中に何か力を持った存在が取り込まれているからです。だから供養のために人形をお寺へ持ち込む人が後を絶えません。私が今でも覚えているのは、学生時代に一人暮らしをしていたアパートの自室に置かれていた油絵です。そこには十字架にかけられて血を流して死んでいるキリストが描かれていました。きちんと額に収められていたのですが、誰が置いて行ったのかは今でも分かりません。気づいたら部屋に置かれていたのです。ただ、この絵が置かれてから私には毎日のように災いとトラブルが降りかかりました。大事にしていた車を擦ったり、ぶつけらたり、私自身も転んでケガをしたり、喉が腫れて高熱が出ました。皮膚におかしな湿疹が出て皮膚科にかかりました。普段なら楽にクリアできる試験でミスをして選考に落ちました。そんなことが1か月近く続いたため、最後はこの油絵を持って、近くの教会へ納めに生きました。神父さんは半信半疑で私の話を聞いた後、苦笑いを浮かべながら油絵を受け取ってくれました。そして私の部屋からキリストの油絵がなくなったとたん、憑き物が落ちたように普通のペースで生活できるようになったのです。ですから私は今でもあの時のキリストの油絵には「何かの力があった」と思っています。つまり、物にも力が宿るとすれば、呪詛や呪詛返しを目的として世界各地で作られる“呪物”も、あながち侮れないものであるということになります。
まず私の頭に浮かんだのは、西アフリカやコンゴ地方に伝わる「ンコンディ(NKondei)人形です。「ンコンディ」とは、「打つ者」「攻撃する者」を意味します。木彫りの象ですが、飛び出した目や鳥の羽や頭蓋骨で装飾された異様な姿が特徴です。呪術師は、この人形を主に“形代(身代わり)”として使い、呪詛返しなどに用います。一族の守護や繫栄などに使われるので、決して悪い目的を持った人形ではありません。ただ、全身を縄で縛られていて、肩や腰には動物の骨が巻き付けられていますので、かなり不気味であることは否めません。この人形は強い精霊を宿しているものですから、慎重に取り扱わなければなりません。この人形を室内に置いてから、「聞き取れない言語の言葉がした」とか「密室に鳥の羽が落ちていた」とか、「人形の顔が日に日に変形している」とか「家の中が荒らされていた」とか「人形の話をした人が事故に遭った」という怪現象が数多く報告されています。地元では”骨とう品“として高値で売買されていますが、一方で”この人形は売ってはいけないもの“とする言い伝えもあります。いずれにしても粗雑な扱いをすると、命にかかわる危険な人形を言われています。
アジアに目を移すと、タイには民間信仰に基づく呪物人形として「クマントーン(Kuman Thong)」と「ルーククローク」があります。どちらも呪術に使われる人形ですから丁寧に取り扱わなければなりませんが、特に「ルーククローク」は、胎児のミイラ(非合法)ですから、慎重に取り扱い、管理もしっかりしなければなりません。扱い方を誤れば、命にかかわることになります。(2)へ続く。
2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方