私は今までに怖い思いは何度もしてきました。それは私が霊体質であることに起因した”怖い霊体験“もあれば、現実の問題として体験した”怖い体験“もあります。霊の世界では現実ではあり得ないような怖いことがしばしば起こります。一方でよく「幽霊よりも生きている人間の方がよっぽど怖い」と言う人もいます。そういう体験もありますので、順に紹介していきたいと思います。
もう今から20年近く前のことです。インターネットにホームページを載せて、皆さんから広く依頼を受け始めた頃のことです。その人は神奈川県に住む方で、夫婦と20代半ばの息子さんと三人で暮らしていました。息子さんは家から車で40分ほどで着ける大きな会社の工場に勤務していました。お給料をためて頭金を作り、大好きな車をローンで購入したばかりでした。車で通勤する時間は息子さんにとっては楽しみの時間でもありました。会社の人間関係も良好で、毎日楽しく勤めに出ていたのです。
しかし、ある日突然、息子さんが姿を消しました。会社の駐車場に愛車を止めたまま、忽然といなくなったのです。両親も会社の同僚も心当たりはすべて探しましたが手掛かりは何もありません。第一、姿を消す理由がまったく思い当たりません。ただ、いなくなった息子さんの部屋を調べていた時に、宗教や哲学の難しい本が何冊か出てきました。両親も同僚も息子さんとそう言う話はしたことが無かったので、しいて挙げればそのことが意外でした。結局、行方不明になって1か月が経過して、足取りはまったくつかめずに、私に捜索を依頼してきたのです。
私は息子さんの部屋に入り、お気に入りの服やCDなどから息子さんの霊的な波長を感じ取りました。愛車の運転席にも座って息子さんの波長を頭に刻み込みました。それから頭の中にレーダーを思い描いて、東西南北のどの方向から息子さんの波長が発信されているのかを辿りました。そして勤務先の会社へ行って、そこから息子さんがどこへ向かったのか足取りを追いかけました。
息子さんは会社を出ると近くのバス停から最寄り駅へ向かいました。その私鉄は神奈川県から新宿駅へつながっています。新宿へ出ると繁華街を訪れた後、オフィス街へ入っています。それからこのオフィス街の一角にあるビジネスホテルに泊まって2~3日は新宿に滞在しています。歌舞伎町も訪れていますが、主にオフィス街にとどまっていたことを考えると、単に新宿に遊びに来たのではなく、何かの目的を持ってここに来たことは明らかでした。それから息子さんはJR中央線に乗って甲府駅で下車しています。そこから「広河原」行きのバスに約2時間乗って終点で下車しています。ここは南アルプス国立公園にある日本第2の標高を誇る「北岳(標高3193m)」への登山口になります。「広河原」の標高は約1500mですから、ここから長く広いすそ野を山頂へ向けて約6時間登れば北岳へ登頂できます。しかし、この息子さんは「広河原」でバスを降りた後、まっすぐに山頂へは向かわずに、むしろ山を下るように広いすそ野の奥へ進んで行きます。途中で車にも乗っていますので徒歩での追跡は不可能です。私はその日は甲府市内に泊り、翌日レンタカーを借りて再び北岳の麓で捜索を開始しました。(2)へ続く。
【2022年9月1日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店(アマゾン・楽天など)で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。
■書名
霊界が教えてくれる
この世で幸福になる方法
■著者:霊能者SHUN(シュン)
■四六判248頁
■定価1650円(本体1500円+税10%)
■ISBN978-4-341-08818-7
■発売 株式会社ごま書房新社
目次
序章:地球の誕生と人類の出現
第一章:霊界の存在とその仕組み
第二章:人の縁の不思議
第三章:心霊スポットが危険な理由
第四章:霊障は理不尽なもの
第五章:先祖と私たち
第六章:この世の上手な過ごし方