第１４２３回　本音（１）

　先日、もう１０年以上前から、定期的に相談されている女性から質問を受けました。この方が定期的に私に連絡をよこすのは、霊的な間口がどんどん広がってきて、定期的に霊障を受けてしまうようになったからです。

「シュンさん、最近は外へ出ると、町を歩いていても、電車に乗っていても、近くにいる人たちが何を考えているのか感じてしまうのです。たとえばきちんとスーツを着ている人でも、男性ならほとんどの人は、いやらしいことを考えています。女性では同性の女性に焼きもちを妬いたり、嫉妬心を抱いたりしています。それ以外にも誰かを蹴落とそうとしてズルいことや悪いことを考えていたり、身内の人に対しても憎しみや怒りを募らせています。そしてふと思ったのは、これはもしかしたら私自身が心の底でいやらしいことや悪いことを考えているから、そう思っているだけなのではないか。私が周りの人の悪い心を感じているのではなくて、私自身の問題なのではないか。そう感じてしまうほど、多くの人の心の中が“ネガティブな思い”で満ちあふれているのです」

そう尋ねてきたのです。私はその質問に対して、

「私は今は何十年もかけて霊的な意味では心身に“耐性”がついて、一見すると普通の日常生活を送っています。それでもときどき強い霊障を受けて、ダウンすることはあります。以前はまだ心身の耐性が弱かったので、今のあなたと同じように外へ出ると、周囲の人の本音が伝わってきて苦労しました。電車に乗れば５つ先の駅へ行くのに、３回も途中下車してベンチで休憩しなければいけない時期もありました。それは霊の影響を受ける他にも、同じ車両に乗っている人たちの本音が、とても気持ち悪かったり、不快なもので、それを受けて私は吐き気や頭痛に襲われていたからです。もし、周囲の人たちの心の中が、平和な世界や平穏で暖かな暮らし、そして感謝や愛情で満たされていたなら、私はそれを感じますから、決して吐き気を催すことはありません。しかし、残念なことに、多くの人たちの心の底には、性欲であったり、金銭欲、出世欲、そして嫉妬心や憎悪が渦巻いていました。だから私は気持ち悪くなって何度も電車を下りなければならなくなってしまったのです」

「………」

「当時の私も今のあなたと同じことを、外へ出るたびに感じていました。ですからあなたが感じていることは、決してあなたの考えが反映されたものではなくて、“周りの人たちの本音を感じ取った”と考えて良いと思います」

私はそのように答えました。するとその女性は私の回答を待っていたように、

「みんなの心の奥底に欲望や憎悪や怒りが渦巻いているって、本当に悲しいことだと思います。どうして人間は、心の中を愛情や感謝や喜びで満たすことができないのでしょうか」

そう尋ねてきました。私は一呼吸おいてゆっくりと話し始めました。（２）へ続く。

【２０２２年９月１日から、紀伊國屋書店をはじめとする全国の書店、インターネット書店（アマゾン・楽天など）で、シュンさんの本が発売になりました。「地球はどうしてできたのか」「人類はどうして誕生したのか」「霊界の仕組みや構造はどうなっているのか」そして「幸せに生きるすべはどのようなものか」、シュンさんがさまざまな体験に基づいて明確に答えています。悪質な”霊感商法”が問題になっている今だからこそ、霊や霊界について正しい知識を身に付けて、悪徳業者を見分けるポイントを把握してください。